【独自】「炎上から2日後に営業休止…」“タメ口”宿泊拒否宣言の旅館オーナーが語った「発言の真意」
《ごめんなさい。しばらく休館します》 こうXにポストしたのは青森県十和田市にある『温泉民宿 南部屋(なんぶや)』の公式Xだ。9月10日時点で3800万回を超える表示がされており非常に注目されている。 【写真あり】「常識で考えろ!」…長谷川岳参院議員から”カスハラ”を受けたタクシー運転手の衝撃告白 事の発端は、4日の別のXのアカウントのポストだ。 元鉄道運転士のユーザーが 《初対面でタメ口で接してくる旅客に駅係員は非常に不快感を感じます》 という内容をポストした。これを引用する形で5日に南部屋も乗っかるように 《当館ではタメ口での問合せの場合、回答はもれなく「満室」となります。来て欲しくないですから。 「今月空きある?」 「お日にちは何日で何名様ですか?」 「週末週末!土日!」 「今週末で何名様ですか?」 「来週だよ来週!」 「何名様ですか?」 「二人に決まってんじゃん!」 「満室!」ガチャ。》 という流れを南部屋もポストしたのだ。 しかしこれは賛否両論が巻き起こり、 《全サービス業はこのスタンスで本来良いんだよ》 《いい意味で「お客様は神様の時代」が終わりました》 と多くは宿側を応援する声だが、中には 《言わなくてもいいやつ》 《店舗公式アカウントでこういう投稿をしちゃう時点で店側もちょっと》 と店側の対応を疑問視する声もあり、3600万回以上(10日現在)も閲覧されるなど大炎上する形となった。 すると7日には南部屋が急きょ、 《ごめんなさい。しばらく休館します。宿泊・日帰り入浴共に完全に営業を止めます。電話も取れません。メールも今頂いている物も含めて返信出来ません。再開可能になったらすぐにご報告します。再開を祈って下さい。ご迷惑おかけして申し訳ありません。》 とポストし、休業を余儀なくされたことを明かした。 一体何があったのか。Xの返信には一般ユーザーからは 《一部のクレーマーが営業妨害してるんかな?》 《旅館業法に抵触してしまったぽいな》 といった声が上がっていた。 法に抵触とはどういうことなのか、『森實法律事務所』の森實健太弁護士によると 「本当は満室でないにもかかわらず“タメ口のみ” を理由に宿泊拒否することは、旅館業法や青森県旅館業法施行条例をみても法令違反となる可能性が高いです」 と法に触れている可能性があるからか、突然の“休業宣言”に心配の声が多数上がっている。 そこで、管轄の監督官庁に問い合わせたこところ、 「そのようなことは把握しておりません」 とのこと。役所による営業停止処分でないことが分かった。 その後、宿側は10日にXを更新し、 《今、宿に戻りました。多くのご心配をおかけし誠に申し訳ございません。先日身内が倒れ、看板犬リュックの体調不良も重なり病院に詰めていました。幸い身内は最悪の状態を脱しリュックも容態安定しました。本日より営業再開します》 と、オーナーの個人的な事情で休業したことを明かしたのだ。 2回のポストが合計で約7500万回も表示がされるなど、注目された今回の騒動。そこで宿に直撃取材すると、オーナーが電話で取材に応じてくれた。 「身内や犬のことでバタバタしており、ネット上でこんなに話題になっていることは本当に知りませんでした。なのでお店の休業はXとは全く関係ありません。騒がせてしまったことに対しては申し訳ないと思います。(Xには)常日頃、思っていることを書いただけ。宿泊業界もそうですけどサービス業界は店側の立場は本当に低く見られ過ぎだと思います。“お客様は神様だ”という文化が、まだ残っていますね。特に年配の方には……。法律違反という指摘もありますが、’23年に旅館業法に宿側に沿った内容に改正され、宿泊拒否の要件が少し広がったんです。それで十分かというと、まだまだお店側を下に見ている人は多いです。そういうことに関しては抗っていきたいなと思っています」 ここにきて社会問題化されているカスタマーハラスメント。オーナーの発言は大きな物議をかもしたが、サービスマンは奴隷でも僕(しもべ)でもないことを、我々消費者はより認識する必要があるのかもしれない――。
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