中上貴晶、MotoGPフル参戦終了へ。2025年以降はホンダのMotoGP開発ライダーに就任し、苦境脱出サポート
8月29日、MotoGPに参戦するホンダ・レーシングは中上貴晶と2025年以降のMotoGPマシン開発ライダーとして複数年契約を結んだと発表した。 【ギャラリー】祝75周年! MotoGPイギリスGPで各チームがビンテージカラーで走行 中上は2024年シーズン現在、LCRホンダからMotoGPの最高峰クラスへ唯一の日本人ライダーとして参戦している。彼の2025年以降のプランについては現役続行以外にもテストライダー就任といったものが噂されてきた。 そして29日にHRCは中上とMotoGPマシン開発ライダーとして複数年契約を結んだことを発表。来年から中上は日本でのテストをこれまで以上に充実させること、そして日本と欧州のそれぞれのテストチームの橋渡し役となり、テスト結果を相互に共有する役割を担ってもらうことになるとホンダは説明している。 ホンダは現在大苦戦中にあるが、中上をこうした役割で起用することで、これまで以上にマシン開発の速度を上げ、MotoGPでの戦闘力を向上させることを目指している。 中上は2018年にMotoGPクラスの参戦をスタートさせ、2023年に日本人ライダーとしては初のMotoGPクラス参戦100戦も記録。これまでの最高成績は4位となっていて、予選ではポールポジションも獲得している。 開発ライダー就任の決定により、今シーズンをもって中上はMotoGPレギュラーライダーからは離れることになるが、これまでの経験を活かし、開発に携わることへやりがいを感じているとコメントを寄せた。 「この度、2024年シーズンでMotoGPレギュラーライダーとしてのキャリアを終えることを決断いたしました。これまであたたかく応援していただきましたファンの皆様には心から感謝を申し上げます。また長きにわたりサポートくださいました出光興産株式会社様、ならびにホンダ様に改めて御礼を申し上げます。2025年からはHRCのマシン開発に携わることとなりました。MotoGPでの7年間の経験を生かして尽力できることは大変やりがいを感じており、とてもうれしく思っております。10月にもてぎで日本GPが開催されます。ここまで大変厳しい状況が続いてはおりますが、日本の皆様の声援をエネルギーに変え少しでも上位でフィニッシュしたいと思います」 なおHRCの渡辺康治社長は、苦境に陥っているホンダの復活に向けても、中上の経験とスキルに期待を寄せていると語った。 「中上貴晶選手、延べ15年のロードレース世界選手権での戦い、本当にお疲れさまでした。日本人として初めてMotoGPクラスで7シーズン114戦以上出走し、ポールポジションも記録するなど、ホンダとともに活躍してくれたことを誇りに思います。そしてこれからも、ホンダのMotoGPマシン開発ライダーとして携わってくれることを、大変心強く思います。ホンダおよびHRCにとって今までに経験したことがない厳しいシーズンが続いていますが、この状況を1日でも早く脱するためには一層の開発体制の強化は必須であり、最高峰クラスで戦ってきた中上選手の経験やスキルに期待をしています」 なお中上の最後の母国レースとなる、MotoGP日本GPがモビリティリゾートもてぎで10月6日に決勝が行なわれるが、ファンにとって見逃せない一戦となりそうだ。
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