ガラス天井の家は実際、暮らしやすいのか?斬新な自邸に寄せられた疑問に豪邸建築家が真向から答える!
東京都内を中心に豪邸を多く手掛ける建築家の森山善之さん。豪邸建築家との異名をもつ人物です。森山さんが南青山の30坪の土地に建てた自邸をモダンリビングデジタルで紹介したところ、大きな反響を呼び、数多くの疑問が寄せられました。そこで、皆さんが抱いた素朴な疑問を森山さんにストレートにぶつけてみました。今回は、気になる方が特に多かった、ガラスの天井について徹底的に教えてもらいました! 【写真集】敷地30坪の建築家自邸に潜入!
Q1. 隣家との関係性はどうなっていますか?見下ろされたり、のぞかれたりする心配はありませんか?
A. 熱線反射ガラスなので昼間はミラー状になって外からは見えません。 ガラスルーフで天井が空いている分、目線の高さまで壁を立ち上げて閉じました。壁の高さはすごく検討して170㎝に。適度に周囲の景色が見える高さでもあります。僕はもともと多少ごちゃごちゃしている景色、雑多な屋上みたいな場所が好きなので、今、窓から見える風景も気になりません。 ここには熱線反射ガラスを採用しています。そもそも昼間はガラスが鏡のようになり、周りから中がのぞかれることはありません。一方の夜は丸見えなのですが、ロールスクリーンを下ろせば視線をカットできます。
Q2. ガラスの天井にカーテンはついていますか?
A. はい。タチカワの電動ロールスクリーンをつけています。 斜めになった天井でも使えるように改造。遮光性、遮熱性のあるタイプで直射日光を遮ることもできます。夏場は南側のロールスクリーンを半分だけ閉めて過ごしていました。すると適度に影ができて、木陰にいる感じがしてすごく心地いいことに気づきました。
Q3. 夜のリビングはどのような感じになりますか?
A. 夜、室内の明かりを落とすと屋外でキャンプをしているような気分になります。 まあ、ロールスクリーンを閉めないと周囲からは丸見えですね。困ることもあるだろうなあ、とロールスクリーンをつけたのですが、実はほとんど下ろしていない。ゲストがよく来てくれて、キャンプしている気分で飲んでいます。天井の斜めのガラスに部屋のなかの楽しげな様子が写りこんで、同時に夜空や月も見えて不思議な感じですよ。
Q4. 大きなガラス面の掃除はどうしていますか?雨水のシミ、ほこり、落ち葉、雪などは大丈夫ですか?
A. 掃除をしなくても全然汚れません。 ガラスには光触媒(SG防汚ガラスコート)を塗布しています。光触媒によって自然に汚れを落とす、"セルフクリーニング"効果を持つコーティング剤のことで、これがいい。だって、雨が降っても水滴がつかないので。太陽の光で汚れを浮かせて雨の水で流す仕組みで、ガラスに関しては竣工してから2年近く経ちますが、1回も洗ったことがないほど。 そういえば、雨の日にでもガラスに水滴がつかず、クリアな状態なので、雨が振っている様子がかなりよく見えます。雨越しに向こうの景色もよく見える。強い雨の日はまるで滝のようにガラス面を水が流れていくのも面白い。だからこの家は雨の日も楽しいんです。