単独インタビュー ビジュアル系ロックバンド・THE MICRO HEAD 4N'S、試練と歓喜のメジャー進出 名刺代わりの新曲「まだ僕らを知らない君へ」
「今が一番、ビジュアル系を楽しんでいる」
「人間ドラマもバンドのエンターテインメントだと思ってもらえたら。どんな状況でも何だってできることが伝われば。そうじゃないとつらいことばっかりだし。2月から5月まではいろいろあったけど、振り返ってみると大切な時期でした。もう1回戦えるのは幸せ。次回作も作っていて、ゴリゴリに勝負したいという気持ちになっています」とkazuya。バンドマンとして30年以上、柔な気持ちで走り続けてきたわけではない。かつて所属したFANATIC◇CRISISは活動13年で解散し、マイフォの活動期間はその年数に並ぶ。「作曲は勉強すれば誰でもできるけど、バンドを作るのは、運命にも左右されるから、まあまあ難しいですね。13年も続いたバンドを2つもやれて幸せ。音楽だけで食べているのはありがたい。僕は今年、大台に乗るんですけど、この年まで現役でミュージシャンをやっているとは想像がつかなかったですね」と感慨に浸った。
「今が一番、ビジュアル系を楽しんでいる気がします」と胸を張る。このジャンルの様式美や特有のステージメイクについて、「昔は学校の制服を着る感覚で、みんながしているからしなきゃいけないんだと思っていた。途中からは目の中に入ると痛いからという理由で、しなくなったんです。でも、ファナを解散後に久しぶりにメイクをする機会があって、ファンの方がわいたんです。長くやってきた恩返しではないけど、喜んでもらえることをしたいなと。メイクをすると違う自分になれる感じがするし、kazuyaを演じられます」。KEKEは「メイクはタレ目に見えないようにしています」と打ち明け、kazuyaは「俺もタレ目。コンプレックス隠し」と同調して笑った。
V系の音楽は多種多様「歌う人が変われば新しく聞こえる」
KEKEは「ビジュアル系の音楽といえば、これだよなというのはない。ビジュアル系の中でもメタルをやる人もいれば、ラップをやる人もいる。特有のビートやリズムはあるけど。うちにはビジュアル系四天王がいますから、四天王が書く音楽がビジュアル系だと思います」と先輩のkazuyaに信頼を寄せる。加入して約2年で歌唱した曲数は約70曲に迫り、コンプリートが近づいている。歴代ボーカルに敬意を払いつつ、「過去の曲も最新の曲も僕にとっては全部、新曲なんです。歌う人が変われば新しく聞こえるし、それを意識しています。KEKEがいる今のバンドが一番いいよねと言わせてやります」と力強く語った。「音楽を伝える人がいなくなるまでバンドを終わらせたくないです」。仲間の帰りを待ちながら、ステージに立ち続ける。(小山理絵)