単独インタビュー ビジュアル系ロックバンド・THE MICRO HEAD 4N'S、試練と歓喜のメジャー進出 名刺代わりの新曲「まだ僕らを知らない君へ」
新しいチャンスを得た半面、苦境に立っていた。2月からバンドの中心人物でもあるギターのSHUN.が療養中。今月17日に本人がコメントを発表し、病状について「精神的不調」と明らかにした。残る4人で活動を継続しており、kazuyaは「バンドの状態は5月くらいまでは駄目でした」と閉塞感があったことを告白した。SHUN.とはFANATIC◇CRISIS時代から30年以上、ツインギターを組んでいる。相棒の不在に「僕は世話焼きなので、良かれと思って彼にしてきたことが、自分のエゴだったんじゃないかと思うようになって反省しました」と吐露。「他のメンバーに対してもどう付き合ったらいいかわからなくなって、僕が辞めること、バンドを脱退することも考えた。人生はそんなに時間はない。バンドも何となく後ろを向いている感じがして、そこに付き合う時間は正直ないかなとも思いました」。自身の進退を考えるほど追い詰められ、所属事務所の社長として責任も感じていたという。
悩んでいた矢先に舞い込んだのが、メジャー進出だった。「もう1度戦えるチャンスが来たかもしれない。メンバー、ファン、スタッフでチームが1つになる起爆剤になるのかなと思った。自分自身の中でスイッチを入れるためでもありました」。気持ちを改めたkazuyaは、レコーディングでSHUN.の愛用ギターを使った。「SHUN.ちゃんの音があった方がいいだろうなと思ったんです。4人だけど、気持ちは5人で。ギタリストとして彼はワイルドでロックなサウンド、僕はメロディアスで繊細なソロを弾くタイプで、特徴や美学も正反対。癖が強いから、彼のギターは弾きにくかったですけどね」と思いを胸に勝負曲を演奏した。
本音を明かした夜「確認するのが怖かった」
KEKEは「僕はプライベートでもくっつき虫のようにSHUN.さんにくっついていた。兄であり、父であり、友達でもある。活動の核になっていた人がお休みしたことでバンドの存続は難しいと思った。解散してしまうのか、もし戻ってこられなかったらどうするのかと聞いて、もしメンバーの誰かから『解散だね』という言葉を聞いてしまったら・・・。確認するのが怖かった。怖くてずっと言えなかったです」。5月に4人で行ったツアーの地方公演初日だった名古屋に前泊した際、自らメンバーに声をかけ、今後について夜明けまで話し合った。「大人になればなるほど人に核心を突く質問を投げかけるのは怖い。でも、大事なことは電話やLINEじゃなくて、面と向かって言わないと。ステージの真ん中にいながら嘘は言えないし、言いたくない。ファンのみんなには、本当のことをしゃべっていきたい。勇気を出した結果、SHUN.さんを待ちながら、4人で一旦頑張っていこうよという話ができた。結束力が高まった気がしましたね」。kazuyaは「うちは言葉にするのが下手なメンバーが多いけど、KEKEは結構、ストレートに言うタイプ。人柄に救われた部分はあります。話し合いをした後、熱量がぐいっと上がりました」。KEKEは「僕がいたからでしょうね!」と明るく言葉を返した。