【どこよりも早い2025ドラフト候補ランキング解説】創価大の強打者・立石が頭一つリード。明治大・小島は久々の大学生捕手1位指名も?<SLUGGER>
2025年のドラフトで、現時点で目玉として頭一つリードしている感があるのが立石正広(創価大・三塁手)だ。昨年は3年生ながら大学日本代表で4番を任されており、秋の明治神宮大会でも2本塁打を含む大会記録となる10安打をマーク。12月の大学日本代表候補合宿でもフリー打撃で場外弾を放ち、視察したスカウト陣を驚かせた。 【表】2025ドラフト候補ランキング1~50位一覧 右方向へも長打を放つことができ、対応力の高さも光る。また脚力と肩の強さも十分で、サードの守備も年々レベルアップしている。今年1位指名された大学生野手の西川史礁(青山学院大→ロッテ1位)、佐々木泰(青山学院大→広島1位)と比べても総合的に見て上という印象で、順調にいけば複数球団の1位指名の可能性も高いだろう。 大学生の野手で立石に続くのが松川玲央(城西大・遊撃手)、谷端将伍(日本大・三塁手)、小島大河(明治大・捕手)、松下歩叶(法政大・三塁手)、大塚瑠晏(東海大・遊撃手)などだ。 人気になりやすいショートは松川と大塚の首都大学勢の2人が筆頭格。松川は大型でスケールと脚力があり、一方の大塚は小柄だが守備は天下一品。春のリーグ戦は多くのスカウトが視察に訪れることになるだろう。 立石と同じサードの強打者タイプでは谷端と松下も評価が高い。谷端はリストが強く、松下もパワーは十分でともに安定して長打が期待できる。小島は東京六大学を代表する打てる捕手。攻守とも高レベルで、大野奨太(東洋大→2008年日本ハム1位)以来となる大学生捕手の1位指名も狙える存在だ。 大学生投手は絶対的な目玉は不在という印象だが、現時点では堀越啓太(東北福祉大)、島田舜也(東洋大)、高木快大(中京大)の3人が1位の有力候補と言える。堀越と島田は150キロ台中盤のスピードを誇り、ともに秋は見事な成績を残した。高木はスピード以上に勢いのあるボールで、森下暢仁(広島)とイメージが重なる右腕。大学選手権や国際大会でも結果を残しており、実績では堀越と島田を上回る。 この3人以外では、ともに怪我からの復帰を目指す久野悠斗、高須大雅の明治大の2人や、制球には課題があるものの本格派左腕として楽しみな山城京平(亜細亜大)と渡辺一生(仙台大)、東都一部でしのぎを削る斉藤汰直(亜細亜大)、中西聖輝(青山学院大)、実績は乏しいがボールの力は抜群の高谷舟(北海学園大)なども最終学年次第で上位指名は見えてくるだろう。 高校生の投手では石垣元気(健大高崎)、芹沢大地(高蔵寺)、森陽樹(大阪桐蔭)、福田拓翔(東海大相模)の4人が有力な上位候補。中でもスピードに関して頭一つ抜けているのが石垣で、ストレートはコンスタントに150キロを超える。数字の割に当てられるのは課題だが、フォームに目立って悪いクセがなくまだまだ成長しそうな雰囲気も十分だ。 左腕では芹沢が一番手。細身でも140キロ台中盤のストレートは勢い十分で、コントロールも悪くない。プロ志望なら上位で狙う球団も出てくるだろう。高校生の野手では投手も兼任する新井瑛太(滝川・外野手兼投手)のポテンシャルの高さが抜群で、高い注目を集めることになりそうだ。 社会人の投手では池村健太郎、後藤凌寿(ともにトヨタ自動車)、冨士隼斗(日本通運)、川原嗣貴(Honda鈴鹿)、竹丸和幸(鷺宮製作所)などが有力候補。全員が150キロ近いスピードを誇り、ボールの力は申し分ない。昨年はまだ主戦という立場ではなかっただけに、指名解禁を迎える今年、どこまで結果を残せるかが重要になるだろう。 社会人の野手で面白いのが村上裕一郎(ENEOS・外野手)だ。1年目は下位打線を打つことが多かったが、主要な公式戦で5本塁打を放ち、社会人の年間本塁打王を獲得。飛ばす力は圧倒的なだけに、長打力不足のチームにとっては垂涎の存在である。 独立リーグからは今回のランキング入る選手はいなかったが、一昨年、昨年と多くの選手がドラフト指名されており、以前なら社会人の強豪チームに進んでいたレベルの選手も早期のNPB入りを目指して独立リーグを選択する選手も増えている。それだけに今年もまた独立リーグから多くの選手がドラフト戦線を賑わせてくれること期待したい。 文●西尾典文 【著者プロフィール】 にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
【関連記事】
- 【どこよりも早い2025ドラフト候補ランキング│1~10位】創価大・立石、健大高崎・石垣、東北福祉大・堀越が今年の“BIG3”か<SLUGGER>
- 【どこよりも早い2025ドラフト候補ランキング│11~20位】亜細亜大が誇る2人の好投手が揃ってトップ20入り<SLUGGER>
- 【どこよりも早い2025ドラフト候補ランキング│21~30位】日本選手権優勝に貢献したトヨタ自動車・後藤に注目<SLUGGER>
- 【どこよりも早い2025ドラフト候補ランキング│31~40位】明治神宮大会で優勝した横浜高の斬り込み隊長・阿部が登場<SLUGGER>
- 【どこよりも早い2025ドラフト候補ランキング│41~50位】神村学園・今村、長崎海星・陣内と九州の大型高校生がランクイン<SLUGGER>