暗殺未遂事件でトランプ支持者たちの結束固まる。一方で「ヒーロー視」を懸念の声も〈現地取材〉
日本の対米政策にも大きな影響を及ぼす「2024年アメリカ合衆国大統領選挙」。現職のジョー・バイデン大統領と返り咲きを狙う前大統領のドナルド・トランプ氏の構図で展開される中、7月13日にトランプ氏が米ペンシルベニア州バトラーで演説中に銃撃されるという衝撃的なニュースが世界中を駆け抜けた。 6月27日に行われたCNN主催の候補者討論会ではバイデン氏の高齢を不安視する声が高まり、俳優のジョージ・クルーニーら有力支持者からも候補者の差し替えの声が高まるなど、形勢はトランプ氏に傾きつつある中での出来事だった。 本紙では現地時間の19日にトランプ氏のお膝元でもあるニューヨークで、今回の襲撃事件の反応を取材した。 朝9時のトランプタワーは地元の人も観光客もまばらで、落ち着いた雰囲気。事件当日は、警察が通常より多く配備されていたほか、30人ほどトランプ支持者が集まっていたとのこと。
トランプタワー地下一階にトランプグッズを売っているお店があり、その店長のロジャーさんに話を聞いた。彼は17年前からトランプタワーで働いてるそうで、もとからトランプ支持者。非公式でグッズを作っていたところ、トランプ氏がそれを認めて、トランプタワーでお店を開くことになったという。トランプ氏が血を流しながら、星条旗をバックに拳を振り上げるあの象徴的な写真がプリントされたTシャツも早速作られており、お値段は25ドル(約4000円)。写真の下には「UNSTOPPABLE」(もうトランプを止めることはできない。)と書かれている。 以下はロジャーさんとの一問一答。 Q:アメリカ人にとってあのような候補者集会は、一般的なものなんですか? A:集会自体はアメリカ人にとっては一般的なもので、近くでやってる時は聞きに行く。トランプタワーのロビーでも時々、本人がやることがあり、その時は店を閉めて見に行く。 Q:トランプ候補が狙撃されたのちに、立ち上がった後、「ファイト」(戦う)という言葉を使ったことについてはどう思いますか? A:彼らしいストレートな物言いであり、普段の言葉づかいと特に変わらず、我々からしたら驚くものではない。支持する。 Q:一方、バイデン大統領については、どう評価していますか? A:(開口一番)スリーピー、ジョー(バイデンは眠たい)。動きが遅い。バイデンになってからいいことは一つも起こっていない。物価も犯罪率も上がっている。トランプはビジネスマンだから、動きが早く分かりやすい。伝えたいことを伝わるように伝えてくれるが、バイデンはそれができないと感じる。