【ライブレポート】サミー・ヘイガー<ザ・ベスト・オブ・オール・ワールド・ツアー>、ヴァン・ヘイレンを始め全キャリアを凝縮
まもなくの日本公演も待ち遠しいアメリカを代表するロックシンガーであるサミー・ヘイガー。今回のツアーは、元ヴァン・ヘイレンのオリジナルメンバー、マイケル・アンソニー(B.)に加えてジェイソン・ボーナム(Dr.)、ジョー・サトリアーニ(G.)を引き連れてヴァン・ヘイレンの多くの楽曲をプレイするものとなっている。 あまりネタバレは避けたいところなのだが、少しでもこの公演に興味を持って貰える事を願い、8月28日に記載されたアメリカ・ナッシュビル公演の様子をお届けしたい。 会場はナッシュビルのダウンタウンにある2万人規模のブリヂストンアリーナで、サミー・ヘイガー以降もスティクスやジェフ・リンズ・ELOなどの予定がされている北米でも有名なアリーナ。サミー・ヘイガーの前座にはラヴァーボーイが登場し、約50分のショウで会場を温めてくれた。 今回のサミー・ヘイガーの<ザ・ベスト・オブ・オール・ワールド・ツアー>は、結論から言ってしまうとサミーの50年に渡る音楽キャリアを全23曲(メドレー含む)に凝縮されたもので、ヴァン・ヘイレン時代をメインにする事は告知されてはいるものの、人気曲だけでなく特に長年プレイされなかった楽曲たちも披露される。マイケル・アンソニーとジェイソン・ボーナムは、サミー・ヘイガー&ザ・サークルでも活動していたし、彼らとの呼吸はバッチリのはずだ。 別名 "レッド・ロッカー"としても知られるサミーらしく、ステージのマイクスタンドは赤い"R"をイメージした特別なもの。今回ショウが始まってすぐに驚いたのは、ジョー・サトリアーニの音色が完全にエディ・ヴァン・ヘイレンだった事だ。自身のらしさを抑えてエディ役に徹しているのも凄いと思わせる。 ジョーがエンドースしているアイバニーズはもちろんの事、なんとフランケンシュタイン・ギターも登場したのは場内を沸かせたし、"ヴァン・ヘイガー"時代のみならず、デイブ・リー・ロス時代のヒット曲や、サミーのソロキャリア、そしてジョー・サトリアーニのソロ曲も披露された。ジョーのソロ曲のみ彼自身の音色とフレーズの魅力をふんだんに魅せてくれていた。 そしてショウ開始から違和感を感じていたドラマーだったが、ジェイソンではなくケニー・アロノフだった事が途中で判明。サミー曰く、「家族の緊急事態で昨日ジェイソンはロンドンへ出発したんだ。彼は家族と一緒にあちらにいる。後で説明するか、いつか説明したいが、彼はケニー。この男は24時間前に通知されて、今夜このセットを学んだんだよ」とMCで話し、どうりで風貌もプレイもジェイソンではないと思ったはずだ(笑)。日本公演もケニーのままで来るのかはわからないが、ジョン・クーガーやジョン・フォガティ等で名を馳せている大物ドラマーのようなのでこれはとても貴重な機会だったようだ。 セットリストは伏せておきたいのだが、とある曲前でサミーがテキーラのボトルをラッパ飲みし、メンバーにも渡し、ステージ袖から紙コップをいくつも出させてそのいくつものコップにテキーラを注ぎ、客席にたくさん振る舞うシーンもあったし、終始たくさんのフラッグがステージに投げ込まれ、親切にもサミーはMCをしながらもそれらにサインを書いて客席に投げ返す事も何度もしていた。日本でも前方座席の方はフラッグを用意して行かれるといいのではないだろうか。 サミー自身もギターを弾くギター・ヴォーカルの場面も数曲あり、キーボード兼サイドギタリストのライ・シスルスウェイテもかなりの実力派で、かの大ヒット曲ではエディが弾いていたキーボード部分を別の人が弾いてる事に不思議な感じもしてしまったが、それだけ今回のショウがヴァン・ヘイレンを再現していたという事。 マイケル・アンソニーとサミーは旧知の仲らしいステージングがたくさんあり、バックドロップも楽曲のイメージや当時のMVと合わせての演出と、チキンフットの楽曲もプレイしてくれたし、モントローズまで登場したまさにベスト・オブ・サミー・ヘイガー「ザ・ベスト・オブ・オール・ワールド・ツアー」であった。 エディ亡き今、サミー・ヘイガーとマイケル・アンソニーがヴァン・ヘイレンのキャリアの中で共演するのを見た事がない人たちにとって、今回のこのツアーは当時を再現するのに最も近いものだったと思う。また、ジョー・サトリアーニをまだ体験していない人にも是非とも観て欲しいものだったので、日本公演に足を運んでみてはどうだろうか。 文・写真◎ Sweeet Rock / Aki <The Best of All Worlds 2024 Tour> 来日メンバー(予定):サミー・ヘイガー(Vo)、マイケル・アンソニー(B)、ジョー・サトリアーニ(G)、ジェイソン・ボーナム(Dr) 名古屋 2024年9月20日(金) Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール OPEN 18:00 / START 19:00 お問い合わせ:CBCテレビ事業部 052ー241-8118(平日10:00~18:00) 大阪 2024年9月22日(日) 堂島リバーフォーラム OPEN 16:00 / START 17:00 お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00-18:00 ※日・祝除く) 東京 2024年9月23日(月・休) 有明アリーナ OPEN 17:00 / START 18:30 お問い合わせ:ライブネーション・ジャパン LIVENATION.CO.JP
BARKS