ルヴァン杯 名古屋グランパス、2度目の決勝進出 山岸、投入34秒で最高の仕事 長谷川監督「受けちゃだめだ。いかないと、やられる」
◇13日 ルヴァン杯準決勝第2戦 名古屋1―2横浜M(豊田スタジアム) 名古屋グランパスが優勝した2021年以来、2度目の決勝進出を決めた。横浜Mとの準決勝第2戦は1―2で敗れたものの、2戦合計4―3で逃げ切った。新潟との決勝は11月2日に東京・国立競技場で行われる。 たった34秒で最高の仕事をやってのけると、名古屋のFW山岸は気持ちよさそうに赤い歓声に浸っていった。0―1の後半から投入された山岸はDF徳元の左サイドからのロングスローを受け、MF森島、FW永井とつながったボールを再度受け取ると、右足で冷静にシュートを決めた。 ゴールを決めた後、両手を耳にあてるしぐさ。「本当に今年、けがが多くて。でも、ゴール裏のサポーターの声は本当にすごくていつか全身で浴びたいなとずっとイメージしていた。今日がそのときかなって思ってやっちゃっていた。本当に気持ち良かったし、感謝している」。思い出すと、また笑みがこぼれた。 前半26分、DF河面が筋肉系のトラブルで交代する誤算から始まり、同33分に先制を許した。2戦合計で3―2となり、リードは1点のみ。流れが傾く中、長谷川監督はハーフタイムに「受けちゃだめだ。いかないと、やられる。2点取られても、1点取ればわれわれが決勝進出」とハッパを掛けていた。山岸はこう語る。「前半に2点目を取られなかったこと、崩れなかったこともチームの力。後半も1点取られたが、突破できたことっていうのは、本当にチームの力」。紆余(うよ)曲折あったチームに、動じない固さが生まれてきた。 第1戦で流れを引き寄せる得点を奪っており、2戦続けて殊勲者に。「自分でいつも言っている。勝負強いって。勝負強くなくても言った方がいい」と自己暗示をかけてきた。残るは国立での決勝。「決勝で負けたら意味がないので。タイトル取って、最高の景色で、名古屋のファミリー(ファン、サポーター)のみんなと喜びたい」。言葉の力を信じるストライカーが、強い決意を口にした。
中日スポーツ