富山市中心部のカラス減少 市が捕獲策強化、広範囲の生態調査も予定
富山市中心市街地のカラスの生息数が減っている。ピーク時は1万羽以上に上っていたが、ここ数年は概ね2千羽台で推移。市は捕獲策を強化してきたことが奏功したとみている。2024年度は大型のおりを設け、より広範囲での生態調査もする予定で、生息数の減少につなげる。 市中心部の富山城址公園周辺では、多くのカラスが飛び交い、市民はふん害や、ごみがつつかれて散乱するなどの被害に悩まされてきた。 生息数は、市が捕獲を始めた06年度は7208羽、ピーク時の07年度は1万1898羽に上った。17年度から市が対策を強化し、同公園などで捕獲用おりを増やしたほか、樹木にある巣を撤去。おりにおびき寄せるため、録音したカラスの鳴き声をスピーカーで流してきた。 20年度の生息数は2497羽、21年度は2195羽に減少。22年度は積雪日数が減ったことなどが影響して4743羽に増えたものの、23年度は2857羽と再び2千羽台となった。
捕獲数は16年度まで2千羽以下で推移していたが、対策を強化した17年度以降は毎年2千羽を超す。市は捕獲に力を入れてきたことが生息数の減少につながったとみて、対策を進める。24年度は同公園内に6基のおりを設置。このうち1基は従来のおりを合体させて大きさを約3倍にした。環境省の自治体向けマニュアルで、おりが大きいほど多くの捕獲が見込めるとされているためだ。 生息数は、同公園周辺で調査してきたが、24年度は富山駅周辺でも調べ、より広範囲でねぐらがあるか調べる。カラスの生態を詳しく把握し、捕獲につなげる考えで、市環境保全課の東覚課長は「有効な手段があれば積極的に取り入れていきたい」としている。