上野でカルティエ『結 MUSUBI』展 貴重なジュエリーから北野武、香取慎吾らの作品まで約200点
カルティエが日本に最初のブティックを開いてから50年を記念し、6月12日から7月28日まで、東京国立博物館 表慶館(台東区上野公園)にて「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」を開催する。 【写真】ビリケンが鎮座するミステリークロックやパティアラのマハラジャが所有したネックレスも! カルティエは1974年、原宿のファッションビル「パレフランス」に日本初のブティックをオープンした。それから半世紀を記念する同展では、約200点の展示を通してカルティエと日本を結ぶさまざまなストーリーを紹介。左右対称の構造をしている表慶館の右側の展示室で、貴重なアーカイブピース「カルティエ コレクション」と共にメゾンの歴史を振り返り、左側の展示室では、カルティエ現代美術財団と日本人アーティストとの絆を紐解く。
ウィンザー侯爵夫人が所有した「パンテール(豹)」のブローチや、パティアラのマハラジャが所有したことで知られるネックレス、神社の鳥居の上にビリケンが鎮座する「ポルティコ」シリーズのミステリークロックなど、カルティエの最も貴重かつ象徴的な作品、日本美術や自然界のモチーフに着想を得た作品などが並ぶ。
エントランスには、澁谷翔が歌川広重と〈東海道五十三次之内〉(1832年)にオマージュを捧げたインスタレーションを展示。澁谷はカルティエから依頼を受け、35日間にわたって47都道府県すべてを訪れ、毎日、地元新聞の一面に空を描いた連作絵画〈日本五十空景〉を制作した。 そのほかにも松井えり菜、村上隆、横尾忠則による絵画、荒木経惟、川内倫子、森山大道による写真、束芋、宮島達男によるインスタレーション、さらに北野武、杉本博司、中川幸夫や三宅一生らの作品を展示している。
事前に行われたプレスカンファレンスで、東京国立博物館の藤原誠館長は「東京国立博物館とカルティエとの関わりは、2009年に日仏交流150周年を記念して開催した『Story of… カルティエ クリエイション ~めぐり逢う美の記憶~』に始まり、15年の歳月を経てカルティエの日本での活動50周年を記念する歴史的かつ意欲的な展覧会を、再び当館で開催できることは大変意義があると感じている」と挨拶。