日本株、これから「海外投資家」の注目が集まる「プロ厳選・英文開示実施企業5選」を実名紹介
日本株市場において、海外投資家の存在感がますます大きくなっている。海外投資家の投資意欲を高め、日本企業の成長につなげるために、東京証券取引所も積極的な改革を推進している。2025年4月からは、プライム市場の上場企業に対して、決算情報や適時開示情報の英文開示が義務付けている。海外投資家が判断しやすい環境を整え、幅広い投資資金を呼び込むための一環だ。 【マンガ】グーグルが上場したときに「100万円」買っていたら、今いくら? 情報の非対称性は、海外投資家にとって投資判断の障害となることは言うまでもない。東証が英文開示を義務付けたことで、海外投資家も日本企業に対する正確な情報を入手しやすくなる。実際、英文開示状況と海外投資家保有比率には強い相関関係もみられている。投資判断の根拠がより明確になれば、日本株への投資意欲が高まることが期待できる。 新年度へ突入したことも海外投資家に対する注目度を高めている。例年4月は、海外投資家が日本株を大きく買い越す傾向があり、過去10年間で9回の買い越しを記録しているからだ。ちなみに昨年(2023年)も4月第2週(4月10日-14日)に1兆5,902億円、4月第3週(4月17日-21日)に1兆202億円と、大きく買い越した。 今年はデフレ脱却や企業のガバナンス改革など、日本企業の成長期待がさらに高まるなか、海外投資家からの資金流入が期待できる季節を迎えたことになる。投資家向け広報(IR)の「三種の神器」とも呼べる、決算短信、コーポレートガバナンス報告書、有価証券報告書の全てにおいて英文開示を実施している企業には、特に注目したいところだ。
エス・エム・エス(2175)
■株価(4月5日時点終値)2450円 高齢化社会に伴う介護・医療従事者の人手不足が深刻化するなか、同社の求人情報サイトや人材紹介サービスは高い需要を獲得している。特に、介護事業者向けの経営支援プラットフォーム「カイポケ」は、求人情報だけでなく、シフト管理や給与計算などの業務効率化ツールも提供し、事業者全体の業務効率化を支援している。 前24.3期は、コロナ禍で抑制していたキャリアパートナー(CP)の大規模採用に踏み切っている。株価は先行投資による収益への負担を嫌気した推移だが、20期連続となる経常増益は確保できる見通しだ。一方、今25.3期以降はCPの戦力化による売上拡大が期待でき、利益率の自然回復が見込まれる。PER(株価収益率)は過去10年の下限圏に達しており、見直し余地は大きいと考える。 近年はアジアを中心に海外展開にも注力している。現地ニーズに合致したサービス開発や人材獲得が重要となるが、高齢化が進む国内で積み上げたノウハウは優位性につながろう。