「ドキドキしたよ。オレが」7回のスクイズを振り返った巨人・阿部監督、「もう必死さが伝わってくる」坂本のヘッスラ称賛
◇19日 「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第4戦 巨人4―1DeNA(東京ドーム) 崖っぷちに追い込まれていた巨人が、ついに勝った。同点の7回、阿部慎之助監督がみせた絶妙な采配で勝ち越し点を奪った。1死一、三塁で岸田がセーフティースクイズをすると、三塁から坂本がヘッドスライディング。必死に伸ばした左手でホームベースを触れ、ギリギリのところで生還をした背番号6はうれしそうにグラウンドを3度たたいた。 「自分の中でヘッドスライディングが一番速いと思っていた。思い切って飛び込みました」。坂本のヘッドスライディングはこの回2度目。1死から左前打で出塁し、続く中山の左前打で疾走。二塁を回った後、三塁ベースへ頭から突っ込んでいた。「勝つしかない、今日はそういう思いで臨みました」。この激走をこう振り返った。 「今までの優勝で一番うれしい」。セ・リーグ優勝を決めた先月28日、坂本は涙を流した。後日にその思いを聞くと、こう明かした。「阿部さんが監督になって、活躍したいと思って始まったシーズンで活躍できなかった。でも、チームが優勝したから」。阿部監督のもとで力になって優勝したいという思いとは裏腹に、苦しいシーズンだった。しかし、何とか勝つことができて、すごくうれしかった。このまま日本一になりたい。そんな思いがプレーに出た。 「逆転しなきゃいけないところだったし、思い切ってね。ドキドキしたよ。オレが」。7回の采配をこう振り返った指揮官は坂本の走塁に「もう必死さが伝わってくる」と目を細めた。これぞ指揮官の求めていた姿勢。それをチームの大黒柱がやった。この1勝は逆襲への大きな1勝になったはずだ。
中日スポーツ