レースの現場が授業の一環に 「むっちゃ楽しいっス!」日本自動車大学校・学生メカニック6人のモータースポーツに懸ける思い【スーパー耐久2024】
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10月26日(土)、スーパー耐久第6戦のレース前日。 岡山国際サーキットのピットでは、重要なセッティングが行われていた。 メカニックA: どうでしょう? メカニックB: ちょっと待って。 マシンの周りで真剣に作業するメカニックたち。 任されていたのは、何と20歳から21歳の学生たちだ。 プロのレーシングチームも参戦するスーパー耐久で、かつてない挑戦をしているのは、千葉県・成田市にある日本自動車大学校。自動車整備士を育成する専門学校だ。 ドライバーを務めるのは、先生。学生に指導しながら、ともに戦っているのだ。 ドライバーであり、先生でもある金井亮忠(40)は、レースの現場で学ばせる意義を語る。 「レースだと競っていますので、自分たちでやったことがちゃんと正式な結果として出てくるんですよね。『同じことを実習でやればいいじゃん』って思うかもしれないですけど、厳しい状況ほど自分たちを成長させてくれるというのはありますよね」 日本自動車大学校が、スーパー耐久に参戦したのは、2020年。 学生主体のチームでありながら、去年はST-5クラスでシリーズチャンピオンに輝いた。 毎年、モータースポーツ科に所属する学生が実戦を通して、レースのメカニック経験を積む。 今年は自動車整備の基礎を学んだ6人がスーパー耐久班として挑戦している。リーダーを務めるモータースポーツ科3年の小林諒亮(こばやしりょうすけ・21歳)は。 「走っている姿はもちろん格好良いんですけど、マシンを整備しているメカニックも格好良くて。自分も憧れて入学しました」 夢への第一歩を踏み出したが、始めは悔しい経験を味わった。 5月に富士スピードウェイで行われたスーパー耐久第2戦。 24時間レースで直面したマシントラブル。小林は、ただ見守ることしかできなかった。 「やっぱり悔しいですね、自分でできないのはダメだな」 学生メカニックを見守る金井先生は、その試練こそが糧になると信じている。 「レースを一回経験すると、悔しさとか、いろいろな感情を感じて、モチベーションがどんどん上がっていくという形ですね。レースをやればやるほど技術も上がっていく」 あの悔しさから5カ月。金井の言葉通り、彼らは今、マシンをイチから作り上げる程に成長を遂げていた。 「細かくて大変ですけど、この作業をちゃんとやらないとレースでいい結果を出せないし、車のバランスも変わるので重要です」 そして、10月27日(日)に行われた第6戦、3時間の耐久レース決勝。 日本自動車大学校は、ST-2クラス予選4位から表彰台を狙った。 自ら組み上げたマシンを走らせ、ピット作業も自分たちの手で。 しかし、レース終盤。3位まであと20秒に迫ったその時。中継モニターに信じられない光景が映し出された。 ピットスタッフ: え、何?うわー!うちの(マシン)じゃん! まさかのアクシデント。 他車から接触され、フロントバンパーなどが外れたマシンは大きなダメージを負ってしまった。 最後まで走り切ったものの、結果は5位。表彰台には届かなかった。 それでもリーダーの小林は笑顔で前を向く。 「しょうがないですね、こればっかりは。学校行ってすぐに直します」 レースを終えたその瞬間から、次のレースを見据えていた小林とその仲間たち。 サーキットの現場で、たくましく成長した姿を見せていた。 スーパー耐久2024シリーズの最終戦は11月16日(土)~17日(日)、富士スピードウェイで行われる。 (映像提供:STMO)
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