日本株は年末まで戻り歩調続く、不確実性での急変動を好業績がカバー
(ブルームバーグ): 第2四半期(7-9月)の日本株相場は円の急騰や自民党総裁選を背景に激動の日々を送ったが、ストラテジストらの間では依然として年間上昇率2桁の予想が主流だ。
ストラテジストやファンドマネジャーが予想する日経平均株価の2024年末値平均は昨年末終値比19%高の3万9844円、東証株価指数(TOPIX)は同18%上昇の2797ポイント。7日終値はそれぞれ3万9332円、2739ポイント。ブルームバーグが9月27日から10月7日にかけて調査し、それぞれ9人、6人から回答を得た。前回6月の調査でも上昇が見込まれていた。
8月に急落した日本株は今後発表される決算への期待を支えに回復基調にある。TOPIX500構成企業の4-6月期純利益は前年同期比9%増の15兆円と、過去最高を記録した。アナリストの業績予想のモメンタムを示すリビジョンインデックスや12カ月先予想1株当たり純利益(EPS)は第2四半期の好調持続を示す。
岡三証券の内山大輔シニアストラテジストは年末にかけて「不安材料は片手では収まらない」と指摘しつつ、投資家心理を押し下げるほどではないと話す。 企業業績は内需、外需企業ともに見通しが堅調な上、米国がリセッション(景気後退)を回避し、年末にかけて日本株が上昇する可能性があるとみる。
ゴールドマン・サックス証券がまとめたリビジョンインデックスでは、TOPIX33業種のうち銀行など23業種がプラス圏だ。輸送用機器など一部の輸出セクターはマイナス圏になる。
懸念されるのが為替動向だ。円は対ドルで9月までの3カ月間に12%上昇し、輸出企業を中心に業績への懸念が広がった。第2四半期のTOPIXは四半期ベースでは2年ぶりの下落となった。
円高でも強い業績モメンタム、日本株は年末高も-ゴールドマン建部氏
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、企業業績は「市場が円高を理由に懸念しているほど悪くならない可能性の方が高い」と語る。日米の金融政策の変更が緩慢になり、過度な円高不安は後退していると言う。企業サイドでは原材料高の価格転嫁が進み、その効果が今後の利益成長につながると予想する。