ヤマハ初投入のブレーキ冷却用エアダクト。中須賀、岡本が語るその効果と“思わぬ収穫”/全日本ロード
8月24~25日にモビリティリゾートもてぎで開催された2024年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第5戦 もてぎ2&4レースのJSB1000クラス。YAMAHA FACTORY RACING TEAMは中須賀克行と岡本裕生の2台ともにフロントブレーキ冷却用エアダクトを装備したが、中須賀のみ決勝レースでは使用しなかった。そもそもどのような効果があったのか、ヤマハのライダー2名に聞いた。 【写真】フロントブレーキ冷却用エアダクトを外した中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)のヤマハYZF-R1/2024全日本ロード第5戦もてぎ2&4 JSB1000 モビリティリゾートもてぎはストップ&ゴーのコースで、ハードブレーキングによりフロントがオーバーヒート気味になる特徴がある。2021年に規則の変更があり、フロントブレーキ冷却用エアダクトの装着が許可されて以来、これまで数チームが使用してきたが、YAMAHA FACTORY RACING TEAMは今回初めて投入した。 「もともと、モビリティリゾートもてぎはブレーキの温度的に厳しく、夏場は特に厳しいので、要望して今回出してもらいました」と中須賀は、新パーツの投入の経緯を語った。 その効果については「ブレーキに効果があります」というが、中須賀のみ日曜日から使っておらず、「自分は結局決勝はつけませんでした。温度的にもまだゆとりがあったので外しました」と説明した。 また、思わぬ“副産物”として、「ウイリーにも効果がありました」と空力効果も得られたという。しかし、「ウイリーしない効果を引き出すための、セッティングをもう少し煮詰めていかないといけないと思います」とまだテストも必要だ。 岡本も「ウイリーに対して、ダウンフォースの効果も感じられましたし、コーナー中もフロントにしっかり(荷重が)かかってくれて、思ったよりは良かったです。ブレーキを冷やすという目的以外のところの方が自分には効果がありました」と空力面でポジティブな印象を語った。 ところが、「ウイリーに対しては効いていましたが、どちらが正解かは今はまだわかりません」と岡本も今後も検証が必要なことを話していた。 毎年、少しずつアップデートされていくYAMAHA FACTORY RACING TEAMのヤマハYZF-R1。今大会は「少しリズムが悪くて、朝フリーで少しだけ調子が戻ってきた」と優勝を逃した中須賀はいうが、チャンピオン獲得に向けてまだまだ強さを見せていくだろう。 [オートスポーツweb 2024年08月25日]