大谷翔平はなぜあんなに屈強なのか…カリスマ経営者が明かす「現役でいるための意外なルーティン」
元伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎さん。仕事に生涯を捧げてきた名経営者も85歳を迎え、人生の佳境に差し掛かった。『老いた今だから』では、歳を重ねた今だからこそ見えてきた日々の楽しみ方が書かれている。 【画像】ほとんどの人が老後を大失敗する「根本的な理由」 ※本記事は丹羽宇一郎『老いた今だから』から抜粋・編集したものです。
突然の「余命10年」宣告
私は若い頃から食事にはとても気を遣ってきました。きっかけは、ニューヨーク赴任中の三五歳のとき、「余命一〇年」の宣告を医師から受けたことです。 当時の私は、揚げ物食べ放題、お酒み放題という日々を送っていました。仕事の付き合いで、取引先がいろいろとごちそうしてくれたんです。その結果、今まで着ていたスーツが着られなくなるほど太ってしまいました。じつに不健康な太り方でした。 そんなある日、みぞおちのあたりがチクチク痛みだし、病院に行ったところ、「コレステロールと中性脂肪の値が標準値の八倍もありますね。あなた、今の生活を続けていたら命が一〇年もつかどうかわかりませんよ」と、医師から言われたのです。 その頃、私たち夫婦には次女が生まれたばかりでした。一〇年後、次女はまだ小学生。そこで死ぬわけにはいかん。まだまだやりたいこともあります。 そこから私は食生活を変えました。お酒と炭水化物の摂取は控えめにして、野菜と豆類を中心にした食事をとる。魚は食べるが、タコ、イカ、貝類はいっさい食べない(当時はコレステロール値が高くなるので避けるほうがいいと言われていました)。 肉類は、たまに鶏肉を食べる程度にする。これらを徹底し、さらに、「身体にいいものはおいしい。身体に悪いものはまずい」と、自己暗示をかけました。 余談ですが、大谷翔平選手も、身体づくりや健康維持のために食生活を徹底的に管理しています。大谷選手は卵料理が大好きで、日本でプレーしていた頃、「ゆで卵を一日に一六個食べる」と報じられたほど。渡米してからは、オムレツ中心の食事だったそうです。しかし、血液検査で自分の体質に合う食材、合わない食材を調べてもらったところ、卵は合わない食材だとわかり、「卵断ち」を敢行。一時は卵料理をほとんど食べなかったそうです。また、グルテンを含まない食事(グルテンフリー)を基本としているといいます。