《ブラジル》女性患者が医師にストーカー=1日にメッセージ1300通も
若い女性患者が担当医に一方的に恋愛感情を抱き、5年間も付きまとい続けたストーカー容疑で逮捕された。女は医師と恋愛関係にあると思い込み、医師や8歳の息子を含むその家族に脅迫や嫌がらせを繰り返し、42件の被害届が出されていた。20日付CNNブラジルなどが報じている。 自称モデルで、造形芸術家のカワラ・ウェルシェ容疑者(23歳)は、ミナス・ジェライス州イトゥイウタバ市で医師に対するストーカー行為を繰り返し、2023年3月から逃亡を続けていたが、今月8日、自身が栄養学を専攻するウベルランジア大学で逮捕された。 事件を担当するラファエル・デ・フレイタス・ファリア警部は、容疑者は自分が医師と交際していると信じており、職場、自宅、病院、診療所など、彼が訪れる場所にも頻繁に出入りしていたと指摘している。捜査の結果、二人が恋愛関係にあったことは証明されず、容疑者が作り出した強迫観念が犯行の動機であったと結論づけた。 訴訟によれば、カワラ容疑者は医師の元患者であり、2019年に医師への恋心を主張してストーカー行為を始めた。女は医師の患者リストから削除されたがストーカー行為は止まらず、医師が抵抗すると今度は脅迫を始め、医師の親族にも電話をかけ始めた。 医師はグローボ局の報道番組「ファンタスチコ」の取材に対し、カワラ容疑者からうつ病の治療を依頼されたが、彼女は恋愛関係を求め始めたと語った。医師が断ると、彼女は首にロープやシーツを巻きつけて首吊りを模倣するメッセージを送りつけ、2人が交わした会話を彼の妻に送ると脅した。容疑者は1日に1300通のメッセージと、500回もの電話をかけたとされている。 執拗なストーカー行為は一層エスカレートし、別の都市で開催された会議に参加した際にも容疑者が現れ、交通渋滞の中で追跡された挙句、逃れるために反対車線を逆走することを余儀なくされたこともあったという。 さらにカワラ容疑者は医師のクリニックに押し入り、彼の妻に暴行を加えた。クリニック内で医師の妻の携帯電話を盗んだとされ、容疑者は逮捕されたが、その際3500レアルの保釈金を支払って釈放された。 医師とその妻は、治安妨害、身体傷害、脅迫、恐喝で計42件の被害届を出していた。 逮捕された容疑者は、ウベルランジアの刑務所に連行され、携帯電話は鑑識のために押収された。 カワラ容疑者の弁護側は、医師と容疑者は恋愛関係があり、彼女はそれを維持しようとしていただけだと説明し、犯罪を否定した。一方、医師側の弁護士は、2人の間に関係があったことはなく、たとえあったとしても容疑者の行動を正当化するものではないと述べた。 ストーカー行為は、ブラジルでは2021年3月に刑法に組み込まれ犯罪となった。罰則は6カ月以上2年以下の懲役と罰金だ。