【天皇賞春・激推し】超ド級の大穴V再現へ ハンデ戦を勝ったばかりの馬が決して侮れない〝理由〟 「あのレースぶりなら天皇賞に挑戦してもいいかと…」
[GⅠ天皇賞・春=2024年4月28日(日曜)4歳上、京都競馬場・芝外3200メートル] スピード競馬全盛の今、時代に取り残された舞台設定という声すらある天皇賞・春(28日=京都芝外3200メートル)。ならば、タフな走りで3勝クラスを勝ち上がったゴールドプリンセス(牝4・寺島)にも食い込む余地あり、だ。実はこの馬、当レースで伝説級の大穴を出したビートブラックにもつながる系譜を持っているのだという。 重、不良で芝3000メートル以上のレースを勝ったことがある馬といえば、1995年天皇賞・春のライスシャワーに、97年ステイヤーズSのメジロブライト、2011年同レースのマイネルキッツ、21年阪神大賞事典のディープボンドなど。いずれも名うてのステイヤーたちだ。そんなラインアップに今年メンバー入りを果たしたのがゴールドプリンセス。雨降る中、重馬場で行われた前走・松籟Sを力強い差し脚で快勝した。 「あのレースぶりなら天皇賞に挑戦してもいいかとなりました。ここを目標に調整して順調です」(寺島調教師) ハンデ53キロで条件戦を勝ったばかりの馬がGⅠで勝負になるのか? 単純な時計だけで言えば〝通用する〟。前述の同舞台・21年阪神大賞典(重)で脂が乗っていた時期のディープボンドが記録した勝ち時計が3分07秒3で、松籟Sの勝ちタイムと全く同じ。この数字は、同じ重馬場施行だった同舞台の99年阪神大賞典・スペシャルウィーク(3分13秒4)、09年同レース・アサクサキングス(3分13秒2)よりうんと速い。 もうひとつ大駆けを呼び込む〝仕掛け〟がある。もともとゲート内での駐立が悪く、スタートが安定しなかったのだが、ファンの声援が聞こえにくい向正面発走の前走ではこの課題をきれいにクリア。いつもより勝負圏に近いところでレースを運ぶことができた。「スタンド前発走になる阪神芝2400メートルとかより、向正面スタートのコースのほうが合いますね。相手は強くなりますが前走みたいな位置で競馬できれば」と寺島師だ。 実はこの馬、本紙競馬評論家である元調教師の中村均氏の子息である中村勇気助手が調教の手綱を取っているのだが、「緩さが抜けてだいぶ馬がしっかりしました。追い切りの動きもいいですね」と上々の感触を口にしている。 父が管理し、当レースで超ド級の大穴Vを決めた12年ビートブラック(14番人気=単勝1万5960円)レベルの爆走を狙っているのかもしれない。
東スポ競馬編集部