大黒柱をより太く、TDKが踏み出す「二次電池」の大勝負
TDKは二次電池に大型投資を行うとする新中計を発表した(写真:編集部撮影)
得意としてきた分野をさらに伸ばし、競合他社との差を広げていく戦略だ――。電子部品大手のTDK(6762)が5月22日に発表した、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画。3年で計7000億円の設備投資を実施し、大黒柱の二次電池に3200億円、自動車向けを中心にセラミックコンデンサーや高周波部品などといった受動部品に2000億円を振り分ける。 TDKの二次電池はスマートフォン向けの小型品が主力で、世界シェア50%以上を握り首位。2023年度の部門売上高は約1兆1000億円で、全体の約53%を占める。 2023年度は中華スマホの低迷や「iPhone」をはじめとするハイエンド品の伸び悩みで、電子部品業界には逆風が吹いた。ライバルの村田製作所(6981)や太陽誘電(6976)が大幅減益に沈む中、TDKは営業利益1729億円(前期比2.4%増)と増益を確保できたのは、二次電池の貢献が大きい。
本文:2,267文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
石川 陽一