航空会社ではなく「航空機そのもの」への投資が注目されているこれだけの理由【アライアンス・バーンスタインの見解】
リターンを実現するために注目するべき投資対象とは
市場サイクルを問わず、航空機リースビジネスには構造的な投資機会が存在します。商用ジェット機の多くは30年程度の耐用年数があるものの、燃費効率の高い新型機に頻繁にアップグレードされています。 そのため、リース平均期間は機体の耐用年数よりも短くなっています。 また、市場環境が改善すれば、大手の航空機リース会社は保有機体を新型の航空機に入れ替え、機齢が中期や後期にある航空機を売却し、自社の格付けを維持しようとします。 こうした航空機が中距離路線向けの中型主力機種であり、需給バランスの歪みから投資家により魅力的な価値をもたらします。製造から5~10年程度の耐用年数が長い航空機などはフォーカスすべき投資対象です。 すでに技術的な性能が実証されており、コスト対比で十分なキャッシュフローを生み出すことが多く、売却時期が来れば他のリース会社への売却や貨物機への転換など、複数の出口戦略も考えられます。 もちろん、航空機リースへの投資を成功させるにはしっかりした案件創出力や管理能力が必要で、リターンの実現には能力や経験が重要になります。旅客需要を冷やす大きな出来事は今後も起こり得るものです。 それでも大局的な観点で、新たな実物資産投資、新たなインカムリターンの源泉として、航空機リースは魅力的な資産クラスになると考えます。このキャッシュフローやインカム収入は、資産ポートフォリオの成長に大きく寄与する可能性があるのです。 清森 英晃 アライアンス・バーンスタイン株式会社 プライベート・オルタナティブ部 ディレクター
清森 英晃