阪神・岡田彰布監督、どハマり起用で堅首 スタメン抜てき井上昇格即タイムリー→途中出場ノイジーV打
(セ・リーグ、DeNA3-4阪神、6回戦、阪神3勝2敗1分、10日、横浜)阪神は連敗を2でストップ。敗れれば首位陥落となっていた大事な一戦をものにした。3-3の九回、途中出場のシェルドン・ノイジー外野手(29)が左前に決勝打。1軍昇格即スタメン起用された井上広大外野手(22)も六回に適時打を放ち、岡田彰布監督(66)の采配がズバリ的中した。 絶妙な選手起用とチームの総合力が光った。九回、ノイジーの鋭い打球がレフト前で弾む。スタメン抜てきの井上に代わって3試合ぶりにベンチスタートだった助っ人の執念の一打。まさに采配ズバリで、3連敗も首位陥落も阻止し、岡田監督が声を弾ませた。 「まあ、あれ(九回の好機でノイジーに打順が回った)はたまたまやけどなあ。それはもう、巡り合わせだから、そらしゃあないもん。そこで打ったいうことはやっぱりなあ。まあきょうはあれや、一回、井上を試したかったのがあるけどな」 2度リードしながら追いつかれる嫌な展開だった。それでも3-3の九回。先頭の佐藤輝の右翼線二塁打から1死一、三塁を作り「9番・ノイジー」が打席へ。森原の147キロを捉えた助っ人は「先発じゃない以上は自分の中で考えをまとめてという時間があった。(九回は)一番駄目なのがダブルプレーですから。球を上げようと思って打席に立ちました」と頼もしく振り返った。 岡田監督は「巡り合わせ」と笑うが、その起用がこれでもかとハマった一戦だった。まずは2軍で絶好調だった井上を昇格即「5番・左翼」で起用。若虎は2-1の六回に適時打を放った。すると、その裏の守りだ。 3-3と追いつかれ、なお2死一、二塁で、快音を響かせたばかりの井上を下げ、左腕の島本をマウンドへ。右腕の石井に代え、9番(左翼)にノイジーを入れた。打順も入れ替えた、投手との〝ダブルスイッチ〟が、最後に最高の結果を生んだわけだが、この直前には、勝敗を分かつ〝珍場面〟もあった。 1死一、二塁で左の神里を迎えたところで、岡田監督は石井から島本に代えようとしていた。井上が左翼から戻ろうとし、島本の乗ったリリーフカーが左翼ポール下から姿を現したが…。交代を告げる前に、DeNA側が先に代打に右の蝦名を送ったのだ。これを見てリリーフカーは逆戻り。石井が続投して蝦名を空振り三振に斬ると、2死から島本を送り、左の関根を仕留めた。