妻に「生命保険に複数加入してほしい」と言われました。「遺族年金の廃止」が不安とのことですが、50代で貯蓄「2000万円」あれば大丈夫ですよね? 住宅ローンも完済しています
遺族年金が5年になる可能性があるというニュースが話題となり、万一の時を想定して必要保障額について考えている人も多いでしょう。貯蓄が2000万円あって住宅ローンを完済していても、必要保障額によっては生命保険への加入も必要です。 本記事では、必要保障額の求め方や試算による目安をもとに、生命保険に複数加入すべきかを解説します。 ▼年金「月15万円」を受け取っていた夫が死亡。妻は「遺族年金」をいくら受け取れる?
貯蓄2000万円でも生命保険に加入すべき?
貯蓄が2000万円あるとしても、必要保障額が足りない場合は生命保険への加入も検討すべきでしょう。 必要保障額は収入から支出を差し引いて求められ、マイナスとなった場合は必要保障額が不足している状態なので、生命保険への加入や貯蓄を増やすなどの対策が必要です。必要保障額の求め方や必要保障額の目安を以下で解説するので参考にしてください。 ■必要保障額の求め方 必要保障額とは、生計を維持していた人が亡くなった際に遺族に必要となるお金のことで、遺族の必要保障額は「遺族の支出-遺族の収入」で求められます。 遺族の収入や支出は、家族構成や家族の働き方などによって異なるため、必要保障額を求める際は将来的な収入や支出なども確認しておきましょう。遺族の主な収入の例は次の通りです。 ●遺族基礎年金 ●遺族厚生年金 ●老齢年金 ●死亡退職金 ●貯蓄 ただし、「18歳到達年度の3月31日までの子がいる世帯」が受け取れる遺族年金や、「65歳から」受け取れる老齢年金のように、要件が定められている収入もあるため注意してください。 また、遺族の主な支出の例は次の通りです。 ●遺族の生活費 ●住居費 ●葬儀費やお墓代 ●教育費 遺族の生活費は、現在の生活費から亡くなった人にかかる費用を差し引いて考えます。 必要保障額は貯蓄を含めた遺族の収入から考えるため、貯蓄額だけで判断はせず、家庭の必要保障額を把握して万一の時に備えておきましょう。 ■必要保障額の目安 複数の生命保険に加入すべきかを判断するために、まずは貯蓄2000万円の場合で妻の必要保障額の目安を確認してみましょう。 「会社員の夫と専業主婦の妻の2人世帯(子どもなし)」のケースで、次のように仮定して試算してみます。 ●夫55歳(勤続30年)、妻50歳 ●夫の年収600万円 ●夫は厚生年金を平成14年3月以前に120月(10年)、平成14年4月以降に240月(20年)納付 ●住宅ローン完済 ●死亡退職金1000万円 ●妻の生活費月15万円 ●葬儀費等の諸費用200万円 ●交際費や医療費などその他費用500万円 ●妻は87歳(女性の平均寿命)まで生存 図表1