『来世は他人がいい』『エヴァ』『ガンダム』など 石田彰はミステリアスな役ほどハマる!
CV.石田彰「俺の人生メチャクチャにして‼️」のインパクト
その特徴は、まず読み切れない表情にある。特に笑顔で暴力を振るうシーンでは、その「普通」とかけ離れた本質が垣間見える。さらに彼には「わがままな女にふりまわされたい」という独特の願望があり、当初は吉乃があまりに常識人すぎることに失望して、デリヘル嬢として送り出そうとまで考えるシーンも(そんな霧島をギャフンと言わせるために、第1話ではヒロインである吉乃が臓器を売って金を作ってくるのだが)。霧島のキャラクターといい、本作には昨今には珍しいほどの、“攻めた面白さ”が垣間見える。 石田演じる霧島の魅力は、印象的なセリフの数々にも表れている。「俺の人生メチャクチャにして‼️」とドMめいた願望をストレートに口にしたかと思えば、「報復に来てもいいけど その時はお前らも、お前らの二親等以内の身内も全員殺すから」と、冷徹な威嚇を投げかける。その予測不能な言動は、まるで別人が憑依したかのような振れ幅を持っているのだ。前提としてストーリーが面白いことは間違いないのだが、こうしたセリフを石田の声で聞ける贅沢さもまた、『来世は他人がいい』の魅力である。 深山霧島という役柄は、まさに石田の真骨頂とも言える「表の顔」と「裏の顔」の絶妙な演じ分けが存分に活きる配役となっていると言えるだろう。霧島がこの先吉乃を裏切るのか、はたまた裏切らないのか。それを見届けることが、この冬の楽しみになりつつある。
すなくじら