77歳男性「年金月5万円」「家賃月2万5,000円」の極貧生活。年金機構から「年金月4,000円増」の知らせに思わず悪態「これでどうしろと?」
年金に上乗せとなる「年金生活者支援給付金」ではとても…
高齢者になっても生活のために働く。しかし、いずれは限界が来るもの。金子さんも足腰が悪くなり、工場での仕事に限界を感じるようになり、昨年退職。給与収入は途絶え、生活費は年金月5万円ほどだけ。 ――やっぱり、70を超えると、病院が友だちになってさ。食費に光熱費に家賃に、さらに薬代だろ。とてもじゃないけど生きていけないよ 【受療率(人口10万対)】 60~64歳…7,157 65~69歳…9,225 70~74歳…10,897 75~79歳…13,231 80~84歳…14,962 85~89歳…15,896 90歳以上…16,296 ※出所:厚生労働省『令和5年患者調査』 さらに、昨今の物価高が金子さんの生活をさらに苦しめます。 ――米だけ食っておけば、と思うけど、米だって最近はすごく高い。こんなに貧乏なのに、何を食べて生きていけというのか…… 総務省『小売物価統計調査』によると、最新2024年11月、お米5kgの価格は全国平均3,627円。前年同月比168%。金子さんが怒るのも無理はありません。 金子さんのように低年金等の収入が一定基準額以下の高齢者には「年金生活者支援給付金」が年金に上乗せして支給されます。これは消費税率引き上げ分を活用し、生活の支援を図ることを目的としたもので、「(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者」「(2)同一世帯の全員が市町村民税非課税」「(3)前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれは88万9,300円以下、昭和31年4月1日以前生まれは88万7,700円以下」と、3つの条件をクリアした人が対象となります。 対象となる人には日本年金機構から緑色の封筒に入った「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届くので、必要事項を記入のうえ、返送するのみ。その後、審査結果の通知が届き、2ヵ月に1回の年金振込日に、いつもの年金に上乗せされ支給されます。金子さんの場合、その額、4,000円。 ――月4,000円だよ、それで何が変わるってんだい。もらえるもんはもらっておくけど、こんな金額じゃ生活はどうにもならないよ 年金にプラスαされる給付金。少額でもありがたいものではあるものの、思わず悪態をついてしまうほど、年金生活者の生活は困窮。内閣府の調査では、高齢者の3割が「家計にゆとりがなく心配」と回答。さらに7.5%の人は「家計が苦しく非常に心配」と回答しています。 ――明日、どう生きるかも心配になる老後になるとは夢にも思わなかったよ [参考資料] 内閣府『国民生活に関する世論調査』 厚生労働省『令和5年患者調査』 総務省『小売物価統計調査』 内閣府『高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査』
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