トヨタ陣営の23XIとフォードのRFKが、来季2025年NASCARカップシリーズにて3台体制に拡充
すでに最終戦フェニックスでの『Championship 4』にて、ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が2年ぶり自身3度目のカップシリーズ制覇を達成しているNASCARカップシリーズだが、来季2025年に向けトヨタ陣営の23XIレーシングとフォード陣営のRFKレーシングが、ともに3台体制への拡充を発表した。 【写真】23XIレーシングが走らせるトヨタ・カムリXSE 2024年シーズン限りでチーム解体となった強豪スチュワート・ハース・レーシング(SHR)のチャーター(参戦権)契約を購入する予定で、新たにモンスター・エナジーからの支援を受けるライリー・ハーべストが23XIに移籍加入しカップ昇格を果たす一方、こちらはリック・ウェア・レーシング(RWR)から借り受けたチャーターを使用し、ライアン・プリースが3台目のRFKフォード・マスタング“ダークホース”を走らせる。 ブラッド・ケセロウスキーの6号車と、クリス・ブッシャーの17号車とともに、新たに60号車をドライブすることが決まったプリースは、全米の大手食品小売チェーンであるKroger(クローガー)のサポートを受けRFKへの移籍を決めた。 「RFKの拡張計画と進化の次のステップを、こうして公に正式発表できることをうれしく思う」と語ったのは、RFKのスティーブ・ニューマーク代表。 「まず、クローガー社のビジョンにも深い感謝を捧げたい。彼らの展望がなければ、2025年以降のカップに3台目のクルマを導入する立場にはなかっただろうからね」と続けるニューマーク代表。 「彼らが尽力してくれたおかげで、我々は長年望んでいた方法で成長目標を達成できただけでなく、NASCARのトップレベルで競争するために必要な競争力を見つけるという点で、限界に挑戦し続けることができた」 「第2にライアン・プリースは、この3台目の参戦について話し合った初日から我々が注目していたドライバーだ。草の根レベルからカップシリーズまで、彼の若い才能は我々を前進させるのに刺激を与えてくれる」 「RFKのチーム全体を代表し、プリースと2025年にフォード・マスタングの3台すべてを網羅するクローガーとのより大規模なパートナーシップにより、60号車を投入する瞬間が待ち切れないね」 カップシリーズでは通算187回の出走を記録するプリースは、今季まで所属したSHRでの2年間で7回のトップ10フィニッシュを獲得。2025年シーズンは自身にとって6回目のフルシーズンとなる。 ■「カップキャリアをスタートできることに興奮している」と23XI新加入のハーベスト その一方で、長引く様相を見せる来季チャーター契約を巡る法廷での訴訟問題に直面するトヨタ陣営の23XIレーシングだが、今季2024年にレギュラーシーズン王者を獲得したタイラー・レディックの45号車と、同ダレル“バッバ”ウォレスJr.の23号車に加えて、チームのチャーター契約購入可否は未発表ながら、ハーベストのために35号車のトヨタ・カムリXSEを準備している。 「23XIとトヨタに加わり、毎週カップシリーズでレースをする機会を得られたことを光栄に思っているよ」と、すでにエクスフィニティ・シリーズでは175戦中3勝を挙げ、5年間のフルシーズンを経験したハーベスト。 「カップでフルタイムを戦うことは、NASCARを始めた頃からの目標だった。このような実績と意欲にあふれたチームでカップキャリアをスタートできることに興奮している。23XIが短期間で成し遂げたことは素晴らしい軌跡であり、組織が成長するにつれ彼らの成功をさらに発展させていきたいと思う」と続けたハーベスト。 「また、モンスターエナジーの代表として引き続き活躍できることも素晴らしいことだし、NASCARで彼らの歴史にさらに貢献できることに興奮している」 依然としてフォード陣営のフロントロウ・モータースポーツ(FRM)とともに、NASCARを相手取った独占禁止法違反の申し立てを続ける23XIだが、米国地方裁判所は両陣営から提出されていた『仮差し止め命令』の申し立てを却下。これでチャーター契約は12月31日をもって期限を迎えることとなり、チャーター権を所有するチームには各レースの出場枠と賞金の一部が保証されるものの、オープン登録ではそれより大幅に少ない金額しか受け取れない。 その条件を踏まえ、チームは主任弁護士のジェフリー・ケスラーを通じて11月16日付で「NASCARがオープン契約の反競争的リリース要件を削除したため、23XIは2025年にオープンチームとしてレースに参加できるようになる」とのリリースを流していた。 「23XIは来季で創設5シーズン目を迎えるため、3台目のクルーを追加して組織の成長を続けるのにちょうど良い時期だと感じた。ライリー(・ハーベスト)は私たちにピッタリのドライバーだと思うよ」と、現時点でも来季チャーター獲得のための『仮差し止め命令』申し立て却下に対する控訴を続ける23XIチーム代表のスティーブ・ラウレッタ。 「バッバとタイラーのふたりとも非常に強固な基盤を築いており、カップシリーズでの旅を始めるライリーにとって、彼らが素晴らしいリソースになることは間違いないね」 [オートスポーツweb 2024年11月22日]