市の子育て支援サイトがアダルトサイトに繋がった!? オークションにかけられる自治体ドメイン、浸透していない転用防止策
では自治体がすでに一般的なドメインを使ってサイトを立ち上げてしまったら、どうすれば良いのだろうか。 総務省は指針で、ドメインを放棄する前に一定期間保持することを推奨している。サイトが使われなくなれば、検索される機会が減る。それを待ち、検索エンジンで上位に表示されないようにするためだ。 総務省の担当者は「一定期間とは1年程度と考えている。管理費が掛かるため、あまり長期間、保持するよう求めることはできない」と話す。一方で、コンサルタントの辻さんは「1年程度では不十分。10年程度は保持してほしい」と訴える。「管理費は年間数百円から数千円程度のものが多い。悪用されるリスクを考えれば、そこまで高額ではない」と強調する。 ▽都道府県の半数、サイト廃止時の対策が不十分 共同通信の調査では、サイトを廃止したり移転したりする際、総務省が指針で定める「ドメインを一定期間保有してユーザーに周知する」「移転先へ自動的に飛べる仕様にする」といった対策が不十分なサイトが24府県と、約半数に上った。
自治体からは、こうした事態を防ぐ策として、「総務省が指針の周知を徹底する」(18道府県)「自治体用のドメインしか使わないよう国が自治体に義務づける」(6府県)など、政府に対応を望む声もあった。また、総務省の指針について「理解が不十分だった」との声も聞かれた。自治体はサイト廃止後を見据えた管理体制に見直すとともに、政府も自治体任せにせず、積極的な働きかけが不可欠だ。