「広島と長崎もっと知って」、被爆者団体などが訴え…ノーベル平和賞授賞式に合わせ
ノーベル平和賞の授賞式に合わせ、広島県内の被爆者団体などは10日、広島市内で様々な催しを開いた。
広島平和記念資料館(中区)では、被爆者らに平和賞受賞に対する思いを聞く会が開かれ、約140人が耳を傾けた。
平和活動に取り組むNPO法人「ANT―Hiroshima」などでつくる実行委員会が主催。同法人の渡部朋子理事長(71)は、「長年にわたり、血のにじむような思いで歩んできた被爆者の思いを受け止め、今後も活動を頑張っていきたい」とあいさつした。
被爆者と被爆2世ら13人が登壇。12歳で被爆した笠岡貞江さん(92)は「少しずつでも核兵器をなくすという声を世界に届けていくべきだ」と述べ、13歳で入市被爆した新井俊一郎さん(93)は「もっと多くの人に広島や長崎のことを知ってもらいたい。それを伝えていけるのは被爆者たちだ」と強調した。
原爆ドーム(同区)前では、県原爆被害者団体協議会(佐久間邦彦理事長)や原水爆禁止県協議会などに所属する約120人が集まり、「ノーベル平和賞受賞」などと書かれた横断幕を掲げた。被爆者の苦しみを表す曲を歌い、黙とうをささげた後、被爆者の高東征二さん(83)らが通行人に自身の被爆体験を語った。高東さんは「一時でも早く世界から核兵器が廃絶されてほしい」と力を込めた。