女子W杯V奪回狙う、なでしこJ監督はなぜ3年連続得点王と川澄、永里ら一部ベテランを外したのか?
来月7日からフランスで開催される第8回FIFA・女子ワールドカップに臨む、日本女子代表なでしこジャパンのメンバー23人が10日、日本サッカー協会から発表された。 初めてワールドカップに臨む選手が17人を数え、そのうち8人の国際Aマッチ出場数がひと桁。前回のカナダ大会では、世界を制した2011年ドイツ大会のメンバーが17人も占めていたが、今回は大幅に刷新され、大会開幕時の平均年齢も27.74歳から24歳へ若返った。 前回大会までチームをけん引してきた33歳のMF川澄奈穂美(スカイ・ブルーFC)、31歳の永里優季(シカゴ・レッドスターズ)のベテラン勢に加えて、なでしこリーグで3年連続得点王を獲得中で、昨シーズンはMVPとの2冠にも輝いた25歳のFW田中美南(日テレ・ベレーザ)も選外となった。その理由を、都内で記者会見に臨んだ高倉麻子監督(51)は選手たちの反骨力に凝縮させた。 「さまざまな選手たちを、力が足りないという状況であっても積極的に試合で起用してきました。そのなかで必ず壁にぶつかり、上手くいかないことも起きましたが、そのたびに考え、所属クラブで工夫と努力を重ねて、次に会ったときには修正してきた選手たちが残ったのかな、と。選手たちのはね返りの強さを、常に注目して見てきました」 約8年3ヵ月の長期政権を築き、なでしこジャパンをワールドカップ優勝と準優勝、ロンドン五輪銀メダルに導いた佐々木則夫前監督(60)から、高倉監督がバトンを引き継いだのが2016年4月。固定化されたメンバーのもとで伸びしろがなくなり、リオ五輪出場を逃したチームの世代交代を、日本では初めてとなる女性監督は大胆かつ繊細に推し進めてきた。 高倉監督が評価されたのは、年代別代表を率いた際に見せた手腕と結果となる。2014年のFIFA・U-17ワールドカップで日本を初優勝に導き、2015年のAFC・U-19アジア選手権制覇をへて、2016年のFIFA・U-20ワールドカップでは銅メダルを獲得した。