甲子園ボウルをかけた"東西対決"2試合は、いずれも激戦必至 法政―関西学院、立命館―早稲田の見どころを紹介!
エースQBの真価問われる立命、関大戦で化けた早稲田
【立命館―早稲田】(12月1日13時@大阪・ヤンマースタジアム長居) 試合会場の大阪・ヤンマースタジアム長居はかつて、サッカーの日韓ワールドカップの試合会場(当時は長居スタジアム)だった。2002年6月14日にはフィリップ・トルシエ監督の率いる日本がグループステージ第3戦でチュニジアと対戦。森島寛晃と中田英寿のゴールで2-0と快勝し、グループHの1位通過が決まった。アメフトの試合会場としても関西学生リーグやXリーグのビッグゲームが開催され、阪神甲子園球場が改装中で使えなかった2007、08年は甲子園ボウルの舞台にもなった。そこでパンサーズとビッグベアーズがぶつかる。甲子園ボウルでは2002年、10年、15年と3度対戦し、すべて立命が勝っている。 今回も選手層の厚さを考えたときに立命館が優位と考えられるが、早稲田は選手権初戦の関大戦で、リーグ戦とはまったく違うチームに化けた。オフェンスの最初のプレーでスクリーンパスを受けたRB安藤慶太郎(3年、早大学院)が独走TD。OLを信じてポケットにとどまると腹をくくったQB八木義仁(4年、早大学院)のパスもさえ、24-7での折り返しに成功した。後半は関大ディフェンスにアジャストされたが、ディフェンス陣が一発TDを許さず、3点差で逃げ切れた。リーグ戦では爆発力のなかったオフェンス陣が四つもの一発TDを生み出した。決して偶然ではない。綿密なスカウティングとプレーコールの巧みさが下支えしている。関大を下し、立命に挑む状況にRB安藤は「こんなに楽しいことはない」と笑った。 接戦になった場合の立命館はQB竹田剛(3年、大産大附)次第だ。リーグ戦の関大戦ではリードされて焦り、心も体もがんじがらめの状態でプレーしていた。その後は仲間とともにオフェンスを進める楽しさに立ち戻ってプレーすることで調子を取り戻し、関学戦では得意のロングパスで流れを呼び込んだ。負ければ終わりの一戦で接戦になったときも、竹田が伸び伸びとプレーできるか。エースとしての真価が問われる。
篠原大輔