58歳タイソン19年ぶり公式戦に批判噴出 現役王者「怪我せず良かった」ジョンソン氏「途中で見るのやめた」 パンチたった97発
タイソンが19年ぶり公式戦で敗戦、「Netflix」独占配信の大注目
ボクシング元世界ヘビー級王者の58歳マイク・タイソンは15日(日本時間16日)、米テキサス州・アーリントンで27歳のお騒がせYouTuberジェイク・ポール(ともに米国)とのヘビー級8回戦(2分×8回)に臨み、0-3で大差判定負けした。エキシビションを除き、19年ぶりの公式戦。米動画配信大手の「Netflix」が独占配信を行うなど異例の注目を集めたが、試合内容には不満の声も噴出している。 【動画】「米国民を軽視してる」 58歳タイソン戦が突然終了した動画 58歳になった伝説タイソンと、登録者数2000万人を超えるYouTuber兼ボクサーの27歳ポールが演じた31歳差の対決。タイソンは初回こそ体力があったが、徐々に疲れが出てきた様子。ノロノロと動き、手数も減っていった。8回途中、向かい合った両者だったが、ポールが突如お辞儀。両手を体の前で合わせ、もう一度会釈するように頭を下げた。タイソンも手を差し出して試合終了。突然の幕切れだった。 会場のAT&Tスタジアムには超満員の観客が詰めかけるなど、異例の大注目を浴びた一戦だが、ボクシング関係者からは批判的な声も上がった。X上では元WBC世界ライト級暫定王者ライアン・ガルシアが「戦う意味がない」と呟き、2階級で世界4団体統一王者となったテレンス・クロフォードも「マイク・タイソンは大好きだが、彼らは彼を評価しすぎだ」と投稿している。 現役世界王者のクロフォードは、タイソンがパンチ97発に終わったことを指摘しながら「彼はゴミみたいだった」「彼が試合で怪我をしなかったことが、ただ良かったと思う」と批判的な内容をつづった。権威ある米専門誌「ザ・リング」のライアン・ソンガリア記者は、ポールについて「ボクシングを熟知している人よりも、“にわかファン”の方がずっと多いことを知っている。彼はより多くの客を満足させることで、とてつもない金額を得たのだ」と指摘した。 タイソンは05年6月に敗れて以来の公式戦。両者は7月20日に試合を予定していたが、タイソンの体調不良のため延期になっていた。NBAで活躍したマジック・ジョンソン氏も「ただただ悲しいよ。見ていられないから途中で見るのをやめた。マイク・タイソンのあんな姿を見るのは悲しい。彼の試合は全て観に行っていたから。今夜の試合はボクシングにとって良くない」と、現役時代を知る身として嘆いていた。
THE ANSWER編集部