直近5年で爆騰したタワマン「ベスト120」でわかった「値上がりするタワマンの5条件」
5年で約3倍に
「ここ5年間でタワマンの価値は上がる一方でした。弊社にも、どの物件を買えば値上がりするのか、どのマンションなら買えるのかという問い合わせが絶えません」 【一覧】これはすごい…直近5年で爆騰したタワマン「ベスト120」を見る! そう語るのは、日本全国の物件情報を収集し、その資産価値を掲載している「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインド代表の川島直也氏だ。 タワマンの資産価値が急騰している理由は後述するが、まずはこちらを見ていただきたい。 これは、全国のタワマン1641棟のうち、'18年の70の平均価格と'23年の価格を比較して、高騰したものから順に並べたランキングだ。これを見れば、この5年でどんな物件に人気が集まっているのかが分かる。 では、具体的にどのタワマンが高騰しているのか。はじめに上位2棟から見ていこう。両者とも飯田橋駅から徒歩圏内にあるタワマンだ。1位の「ラ・トゥール飯田橋」は'18年の約9000万円から、5年で約2億4900万円に騰がっている。川島氏がその理由を解説する。 「それぞれ'10年と'14年に建てられましたが、近年進められた飯田橋駅前再開発の影響で価格が高騰しました。特に2位のパークコート千代田富士見ザタワーは千代田区の外濠内側で、23区の中心に位置する飯田橋駅から徒歩3分の好立地。業界では『こんな物件は二度と出ないミラクルタワマン』と呼ばれています」(以下、発言は川島氏)
値段が跳ね上がる地域
3位以下も東京の物件が並んでいるが、注目すべきは、高騰しているタワマンには地域的な偏りがあるということだ。なかでも群を抜いて価格上昇しているのが港区と千代田区。さらに業界で「3A」と呼ばれる「赤坂、青山、麻布」も人気のエリアだ。 「六本木、虎ノ門、三田、浜松町、白金、高輪あたりも価格が高騰しやすい地域です。とりわけ駅近物件は、値段が上がりやすい。ランキング80位内の平均徒歩分数は4・4分と、5分を切っています。不動産の価値は『1に立地、2に立地、3、4がなくて、5に立地』と言われるほど立地が重要。駅直結のターミナルタワマンはもちろん、駅に近ければ近いほど価格も上がりやすいのです」 さらに3つ、「価格が上昇する条件」がある。それが「デベロッパーのブランド」「規模と戸数」「背の高さ」だ。 「様々なデベロッパーがタワマンを建築していますが、なかでも人気なのが三井不動産レジデンシャルです。同社は都市型高級マンションとして『パークコート』シリーズを手掛けていますが、これらは3Aのほか六本木などの一等地に多く建設されています。パークコートと名が付けば、それだけでブランド価値が上がる。さらに、タワマンの規模が大きかったり、背が高かったりすると、それだけ目立つので人気になりやすいのです」 こうした、価格が上昇する諸条件を、すべて満たした日本最高級のタワマンがある。それが、ランキング24位の「パークコート赤坂檜町ザタワー」だ。 赤坂にあり、乃木坂駅から徒歩わずか3分。三井不動産レジデンシャルが分譲し、44階建て、総戸数322という、トップオブタワマンだ。'18年の価格が約2億5000万円に対し、'23年には約4億円にまで跳ね上がっている。 タワマンの高騰は都心だけに限らない。後編記事『「この金額で買えるのか!」全国の「リーズナブルタワマン」30を一挙大公開』に続く。 「週刊現代」2024年11月16日・23日合併号より
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