【パリ五輪】男子100m・サニブラウンは準決勝で自己新の9秒96も敗退 「後半まとまり切らなかった」
◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)4日目 パリ五輪・陸上競技4日目のアフタヌーンセッションが行われ、男子100m準決勝3組に登場したサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は自己ベストの9秒96(+0.5)をマークしたが、4着にとどまった。プラス通過にも0.03秒届かず、1932年ロス五輪の吉岡隆徳以来、92年ぶりの決勝進出はならなかった。 【動画】サニブラウンの準決勝をチェック! レース後、電光掲示板を見上げて終始悔しげな表情を浮かべていた。サニブラウンは大舞台で、日本記録に0.01秒まで迫る堂々の自己ベストを叩き出す。しかし、それ以上に準決勝は9秒8~9台が連発。プラス通過ラインにもわずかに届かなかった。 スタートからの流れは悪くなく、中盤にかけて9秒77を持つキシェーン・トンプソン(ジャマイカ)、オレゴン世界選手権金のフレッド・カーリー(米国)に先行されたが、3位争いに加わった。ウォーミングアップから調子が良く、「全部出し切る勢いでスタートしましたが、後半まとまり切らなかったところが失速につながったと思います」。 ベンジャミン・リチャードソン(南アフリカ)と競り合う展開で、「力まずにしっかり自分のレースをすれば食らいついていけると言われていましたが、オーバーストライド気味になってしまった部分があったと思います」。やや気持ちが先行して力みが生じ、3着争いに0.01秒差で敗れた。 世界選手権には過去5大会の出場経験があるものの、五輪は200m予選敗退に終わった21年東京大会以来2度目だった。世界選手権では22年オレゴン大会で100m7位、23年ブダペスト大会で6位。世界の舞台で力を発揮してきた。 「(世界との差は)縮まっていることは縮まっていますが、世界のみなさんもどんどん先に行っている。ちょっとずつ追いつくだけでは足りないと身に染みて感じました」 2度目の五輪で個人種目を終え、痛感させられた世界との差――。25歳は厳しい表情を浮かべたまま、会場を後にした。
月陸編集部