長野県が公営住宅のリノベーション着手へ 子育て世帯の入居に期待
長野県は全国でも珍しい「公営住宅のリノベーション」に来年度から着手します。目的は「子育て世帯への支援」で、子育てがしやすい間取りや居住空間を狙いにアイデアを公募し、2つのモデルプランを決定しました。古い建物を改修して新たな目的に使うリノベーションは民間で進んでいますが、県は公営住宅では珍しいとしています。 【写真】「古い建物ほど価値下がる」はもう古い? リノベーションで地域づくり
家族の触れ合いに配慮した改修プラン
長野県は3月までの本年度、子供がいる世帯が使いやすく「住みたくなる」県営住宅のリノベーションプランを募集。県内外からの応募62件から、昭和50年代と同40年代に建築した県住をモデルに最優秀賞と優秀賞をそれぞれ選びました。 昭和50年代の県営住宅の改修プランは、3DK、57.73平方メートルの部屋を、家族が4人以上の子育て世帯向けとする計画。選ばれた最優秀プランは、家族団らんの場所となるリビングダイニングとキッチンを一体の空間として南側に置き、北側の子供室をリビングダイニングとつながる位置にしキッチンから見渡せるようにしました。 子供室には2段ベッドを置き、親の寝室は別にして親子別寝としますが、幼い子どもは親と一緒に布団で就寝できるよう寝室は畳敷き、押し入れ付きです。玄関にはベビーカーや三輪車などが置けるスペースを設けます。キッチンの入り口にはチャイルドゲートを設けて、キッチンや浴室に幼児が入れないようにしました。 このほか転落防止のため手すりの高さを十分取り、南北の通風の確保でカビやアレルゲンの発生を防ぐなどの工夫をしています。 審査では乳幼児の子育ての現実的なニーズに応え、家族の触れ合いとプライバシーの保持のいずれも配慮されているなどと評価されました。 昭和40年代の改修プランは、2LDK、37.56平方メートルの物件を、家族が3人以下やひとり親の子育て世帯向けに改修。2LDKを1LDKとして部屋数を減らした分、リビングダイニングを広く使う点が評価されました。