『ボーダーランズ4』は広大な世界をシームレスに探索可能に! 開発インタビューで最新トレイラーの気になる部分を聞いた
Gearbox Softwareが開発するFPSスタイルのRPG『ボーダーランズ』シリーズ。その最新作である『ボーダーランズ4』(PS5/Xbox Series X|S/PC)が2025年発売に向けて待望のゲームプレイトレイラーを公開した。 【記事の画像(3枚)を見る】 新映像ではサイコたちと謎の軍勢が大激突! 前作のゼインの姿も 舞台となるのは新たな惑星カイロス。映像の冒頭でシリーズ定番の敵キャラであるサイコたちと荒野で対峙するのは、謎の大軍勢(ちょっとエリディアンっぽいフォルムではある)。そしてそれを見下ろす大男が、サイコのお面を握り潰す……。主人公たちヴォルト・ハンターはこの両者の対立に介入していくのだろうか? そして恐らく今回のヴォルト・ハンターであるだろう4人に加えて、映像には前作の主人公のひとりであるゼインや、シリーズおなじみの激ウザロボット“クラップトラップ”の姿も。もちろん、これまで見たことない敵キャラも盛り沢山だ。 さらにホバーする乗り物(ビークル)を召喚したり、ビームムチ風の機器を使ったグラップリングジャンプ(引き寄せジャンプ)からのムーブなど、気になるアクションも見られる。 開発インタビュー というわけで、気になるあのキャラはなんなのか? プレイ要素的にはどう変わってくるのか? Gearboxを率いるランディ・ピッチフォード氏と、本作のシニアプロジェクトプロデューサーを務めるアンソニー・ニコルソン氏にオンラインインタビューで話を聞いた。 ランディ・ピッチフォード: シリーズの開発元であるGearboxの社長。手品が得意。 アンソニー・ニコルソン: 『ボーダーランズ4』のシニアプロジェクトプロデューサー。 ボダラン史上もっとも不吉でヘヴィなヴィラン“タイムキーパー”が立ちはだかる ――あの最後に出てきた人物は何者ですか?: ランディ:Vaultの前で浮遊していた男かい? あれは“タイムキーパー”と呼ばれる人物で、シリーズのロア(物語やキャラクターの背景)を学び尽くしたハードコアなボーダーランズマニアにとっては意味がある名前だ。 あれがタイムキーパーということがわかったらみんなが過去作での言及を片っ端からチェックすると思うよ(笑)。これまでボーダーランズに姿を見せたことはなかったけど、言及はされてきたからね。スター・ウォーズ界の“皇帝”よりもっと不吉な存在をイメージしてみて欲しい。それがタイムキーパーなんだ。彼はぞわっとする不吉な計画をもってこのシナリオへとやってくる。 アンソニー:トレイラーを見ても分かる通り、上から見下ろして支配してくるたぐいの独裁者なんだ。トレイラーでは文字通り高台からすべてを見下ろしてマスクを握りつぶし、それを合図にふたつの勢力が激突する。ランディが言ったように非常に危険な男であり、今作でヴォルト・ハンターたちにとってとても大きな脅威となる。 ――ボーダーランズの悪役を生み出すのはなかなか大変なのでは? 2のハンサム・ジャックは名悪役として知られていますけども、“思わず好感を抱いてしまいそうになる、好感を抱けない人物”というような感じでした。 ランディ:そう、それはジャックをとてもうまく表現しているね。 ――それで、3のカリプソツインズにしても“そこら辺にいそうだけど超イライラさせられる”というような相反するものがあったりしますよね。今回はどうなんでしょう? ランディ:今回ははっきりとしたトーンの違いを感じられると思う。タイムキーパーはシリアスで不吉で、ふざけたり遊んだりしない。彼には長い時間にわたって仕込んできた計画があり、ヴォルト・ハンターはその妨げになる癪な存在であって、彼にはそれが耐えられないんだ。 彼は別物なんだ。彼はハンサムジャックの局地的な関心事とか、カリプソツインズの力と注目を集めたい個人的な欲求とは違うレベルで動いている。これまでのボーダーランズの悪役にはなかった重々しさを持っているんだ。 アンソニー:ちょっと補足しておくと、彼はとても計算高く、物事の進め方やこの物語で彼が望んでいることにとても細心の注意を払っている。 より機動力を活かして戦える新アクションなどにも注目 ――ボーダーランズと言ったらCo-op(協力プレイ)は欠かせない要素ですが、今回はどうですか?: ランディ:Co-opについて聞いてもらえて本当に嬉しいよ。私達が力を入れている部分だからね。カウチCo-op(ローカル協力プレイ)、オンラインCo-op、それを組み合わせて2人とか3人がカウチで残りがリモートなんてこともできる。異なるプラットフォームでのクロスプレイもだ。君がプレステで僕がPCで他の友達がXboxというのでも一緒にプレイできる。 ――コアのゲームプレイ要素について違いなどはありますか? ランディ:いくつか大きな違いがあるんだ。ボーダーランズの土台はシューター(FPS/TPS)でありRPGゲームという部分にあって、『ボーダーランズ4』も依然としてルーターシューター(※)だ。(※報酬のアイテムを目当てに撃ちまくるゲームスタイル) でも今回アクションの部分で大きな革新と進化を生み出している。ボーダーランズで動きながら撃ちまくるのはいつも楽しい部分だったけど……。 ――トレイラーに出てきたグラップルジャンプとかが入ってくる、と? ランディ:そう、でもそれ以外にもちょっといろいろあるんだ。グラップルジャンプすると普通のジャンプよりちょっと滞空時間が長くて、グライドしながら飛び出てくるとか、横にスライドするように動くとか。回避や突進もあるし、ムーブセットに新しい機能をいろいろ入れてる。 (トレイラー後半の戦闘シーンを再生しながら)私達のファンはこれを見てフレームごとに分析するだろうね。この一人称視点部分の短いシーケンスには、キャラの動きの部分で私達がアップグレードしたことの手掛かりを仕込んであるからね。FPSでの機動性と移動アクションの部分で優れたものにしたかったんだ。 アンソニー:それとCo-opとうまく合うように、Co-opの相棒とうまく合わせたキャラクターをビルドできるように、それぞれのキャラクターが幅広いスキルツリーを持つようにさせたかった。 だからどのVaultハンターを選んでもすごくいいシナジーを発揮できると思うし、世界を進んでいく中でいろんなエリアで遭遇する戦闘にうまく対応できるはずだ。 シームレスに行き来できるシリーズ最大の世界を探索可能に ――それでマップの構造ですが……あなたがX(旧Twitter)でした発言で「シームレス」という言葉を強調していたので「フルのオープンワールドゲームになるんじゃ?」とか噂がたちました。実際どうなんでしょう?: ランディ:(ヴォルト・ハンターたちが丘の上から広大な風景を見下ろしている場面を見せながら)ほとんどのゲームでこういった遠景に見えている部分は私達がスカイボックスと呼んだりする単なる背景だ。 でもボーダーランズ4ではここで見えているような場所はすべてローディングを挟まずにプレイできる空間になっている。完全にシームレスでロードなしだ。見えているものはすべて探索可能なんだ。何マイル先かという遠くに見えている大きなタワー、あそこに行くことになる。月もあるね。もう一度言うが、見えているものは全部行ける。 ――地上に見えるものだけじゃなく、空に見えているものも今の話に含まれるぞと。: ランディ:イエス、イエス、イエス。それで、さっきオープンワールドという言葉が出たので、そこについてはちょっと注意深く説明しなきゃいけないね。いろんなゲームがそれぞれ“オープンワールド”という語の意味を定義づけていて、そして多くのゲームでオープンワールドをシステム的なアルゴリズムで生成されたコンテンツで埋めていたりする。 それに対してボーダーランズではすべてが私達のスタッフが作り配置しているものだ。それは樹木の葉からキャラクターまで、環境の中にあってプレイヤーが出くわすものはすべてだ。この点でも、とにかく広大なスペースを作るためにシステム的な作り方をする多くのオープンワールドとは違う。 また、間違った印象を与えたくない。ボーダーランズ4はオープンワールドではないけども、シームレスな世界、これまでのシリーズ作の中で最大の世界を作り出しているんだ。非常に大きくやれることがとてもたくさんある。 ビークルがいつでも呼び出し可能に アンソニー:私達としてはこの世界を冒険していくなかでダイナミックにさまざまなコンテンツに遭遇して欲しいので、そこにも注力しています。横道にそれてもボーダーランズ3みたいにさまざまなチャレンジなどがありますし、Unreal Engine 5をはじめとする技術のおかげで、このサイズの世界がありながらそれぞれのエリアをランディが言っていたように自分たちの手で設計できていて、プレイヤーが探索中にできることをもっと増やし、さまざまなイベントやアクティビティに挑めるようにしています。 それに加えて、ビークル(乗り物)を生成する能力も足しました。“パーソナルビークル”と呼んでいて、映像でも見られる通りにほとんどいつでも呼び出せます。どこか別のところにいる友達の所に手軽に行きたい時などは便利ですね。 発売に向けてここから情報をどんどん発表予定 ――次の発表が楽しみですね。日本のファンも楽しみにしてると思います。: ランディ:いよいよこのトレイラーを出せるし、発売までが待ちきれないよ。まだまだ開発中で、やらなきゃいけないことはたくさんある。だからそれらをクリアーするに連れてみんなに情報をシェアしていきたい。発売に向けてPRキャンペーンをやっていくので期待してください。 日本のファンにもっとボーダーランズをお届けできることを楽しみにしてるよ。5月には日本に行って東京やいくつかそのほかの場所を訪れる予定だし、とても楽しみだ。東京ディズニーランドは世界の中でも好きな場所だからね! アンソニー:日本の皆さんに……(日本語で)ワタシハアンソニー。ここから何ヶ月かかけてみんなにもっとゲームを見せていけることを楽しみにしてます