「あっという間」に辞めていく若手 どう接するのが正解か?
人材不足の状況下で、多くの企業が採用に力を入れるのと並行して、リテンション(人材流出防止)にも注力するようになってきました。 【画像】「これまで、会社を辞めたいと思ったことがあるか」 アンケート回答結果 新人・若手社員のリテンションは、以前から大きな人事課題の1つです。ただ、現在の新人・若手、つまり1990年代後半以降に生まれたZ世代に関しては「どうやって早期離職を防げばよいか分からない」「気持ちや考えをよく理解できない」といった人事・上司の皆さんの悩みの声が、これまで以上に多くなっています。 そこで本記事では、ともに働く若手社員にいきいき活躍してもらうために、人事や上司は何をどうしたらよいのかをお伝えします。
若手を「生かす」視点を持つことが重要
最初に結論からお伝えすると、新人・若手のリテンションには、皆さんが彼らを「生かす」視点を持つことが大切です。もちろん、若手には経験不足で未熟な面があります。行動や言動にフラストレーションを感じることもあるでしょう。 しかし、これから詳しく説明しますが、実は人事や上司の皆さんが若手から学べることも多くあるのです。「教える」だけではなく若手の特徴を引き出し生かす姿勢も持つことで、組織や人事制度などをアップデートするきっかけとなるケースもあります。つまり、若手のリテンションに向き合うことは、人事・上司の皆さんにとっても、ある意味でチャンスといえると考えています。 例えば「もっと仕事にやりがい・意義を感じたい」とで悩んでいる若手がいるとします。それに対し「若手のうちからそんなことを考えるのはわがままだ」と注意するのは簡単です。 しかし、頭ごなしに否定してしまうと、若手は本音を出しにくくなり、コミュニケーションがうまくいきません。モチベーションを引き出し、エンゲージメントを高めるためには、まず発言の真意を確認することが大切です。 真意が分からないときは「どうしてそう思ったの?」と聞いてみてください。問いをきっかけに対話を続け、考えや思いを深掘りしていくのです。若手から、皆さんが想像もしなかったような答えが返ってくることもあります。