『モンハンワイルズ』開発陣インタビュー。藤岡D「まだ開発中のため現状のPC版最高スペックは明言できません。いずれはお伝えしたいです」【TGS2024】
2024年9月26日~9月29日の4日間、千葉・幕張で開催される東京ゲームショウ2024(9月26日・27日はビジネスデイ)。 【記事の画像(6枚)を見る】 カプコンは、2025年2月28日に発売予定のプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、Steam向けソフト『モンスターハンターワイルズ』をプレイアブル出展していた。試遊後気になったことや、PCの最高環境で遊びたい人向けのスペック、イャンクックはどんな存在になるのか? などの質問を開発陣に投げかけた。 辻本良三氏(つじもとりょうぞう): 『モンスターハンターワイルズ』プロデューサー。 (文中は辻本) “※“辻”の字は1点しんにょうです。 藤岡 要氏(ふじおか かなめ): 『モンスターハンターワイルズ』アートディレクター兼エグゼクティブ・ディレクター。 (文中は藤岡) 徳田優也氏(とくだゆうや): 『モンスターハンターワイルズ』ディレクター。 (文中は徳田) モンスターはもちろん、人も生態系のひとつとして描くシリーズ最新作 ――早速ですが、試遊させていただいたところ、ガンランスの竜杭フルバーストや太刀の練気解放無双斬りなど、派手で気持ちいい新技が多いと感じました。新技に関しては、やはりその辺を意識されたのでしょうか?: 徳田 :そうですね。まず手触りをよくしていこうというところは全体的な武器のコンセプトとしてありました。できるだけプレイヤーが操作できない時間、動きを止められてしまう時間を少なくして、動きながらいろいろな技が出せたり、既存作ではできなかった派生がつながるようにしたり。 そこへさらにプラスして、各武器の決め技的なものに関して、これまでとは少し違う形で派生の最後を締めくくる技を、新技として今回実装しています。 ――全部の武器がそういうコンセプトで? 徳田 :そうなります。『モンスターハンター:ワールド』なども、すごく長いあいだ遊んでくださっていると思うので、 『モンスターハンターワイルズ』も新鮮な気持ちで楽しんでいただきたいというところを意識して作っております。 ――本作では、ついにイャンクックが復活しますが、ユーザーからは先生と呼ばれているモンスターですよね。やはり今回もそういった先生的な立場で登場するのでしょうか?: 辻本 :今回のイャンクックは、これまでとはちょっと違う形になります。既存作では、初期に出会う大型モンスターとして、いろいろな動きを教えてくれる先生と呼ばれていましたが、本作では群れでいたりするシーンもあったりします。今回はどのように登場するのか、ぜひ楽しみにしていてもらえたらと思います。 ――すでに何本か公開されているPVを視聴し、心惹かれた新規層や復帰層はたくさんいると思います。その辺のユーザーに向けて、今回アピールしたいポイントをお聞きしたいです。: 藤岡 :フィールドの変化などもそうですし、今回はとにかく没入感のあるものをしっかりアピールしていきたいという考えがありました。PVの作りもその方向性で作っていますし、今回のストーリーも、しっかりコンセプトを持ったものにしていきたいなと。 環境の変化とモンスターの脅威性豊かな部分を、よりダイレクトに表現して、それをぐっと感じてもらえるようにしたいという部分もあったので、そこをすごくかいつまんだ形ですけど、トレーラーで表現させてもらっています。実際に視聴していただいた人に興味を持ってもらえているならすごくうれしいですね。 徳田 :ストーリー仕立てで、久しぶりに復帰される方も、ゲームの要素をバランスよく学んでいけるような……リハビリしていけるような形に設計し直していますので、ぜひ本作の世界へ飛び込んでいっていただけたらなと思います。 ――TGSでは初めてマルチプレイで試遊させていただきました。これまではスタンプや定型文などがありましたが。今回はコミュニケーション機能に関してはどういったものが入っているのでしょうか。 徳田 :これまで通りにスタンプは入っていますし、定型文も入っていますし、ボイスチャットも入っています。定型文に関しては、自動翻訳されるものもあれば、そうでないもの、自由にできるものもあります。基本的には 『モンスターハンター:ワールド』ベースで、より種類を増やしたり、『ワイルズ』でよく使うような用語などをピックした形にしています。 ――基本的にはこれまでのシリーズと同じ感覚でコミュニケーションが取れると。 徳田 :そうですね。プラスして言うならば、今回はチャットのチャンネルをかなり増やしています。リンクパーティーというのですが、 裏側では繋がっている状態でありつつ各自が自由に遊ぶことができます。 要はクエストのパーティーとは違うところで4人のプレイヤーがつながっていて、ボイスチャットやテキストチャットでコミュニケーションが取れる状態です。ですから、「いま自分のところでは、あのモンスターが大量発生しているから、ちょっとみんな来てみない?」みたいなことをリンクパーティーのメンバーに言って、さらに通知を出して、そこへ集まったり。 プレイ環境が人それぞれ違う中で、自分の中でやりたいことを見つけていってもらい、それを人にシェアしながら遊ぶということがよりしやすいような設計を入れています。 ――本作でのコラボレーションが気になります。すでに決まっているものはあるのでしょうか。 辻本 :コラボに関しては、おもしろいものやタイミングが合うものがあればやってみたいなとは思っています。ただ、コラボ相手様に乗っていただけるかどうかというところもあるので、具体的にこれをやりたい、とは現状では言えないですね。 あと、単にコラボするというだけでなく、『モンハン』内でもおもしろい遊びやアイデアを入れられるかどうかという点もありますので、そこは企画とセットで考えていきたいですね。 ――今回、採集限定で水中が復活していますが、そうなった経緯などをお聞かせください。 徳田 : 『モンスターハンター:ワールド』でも、一部水中に入ってのショートカットはあったのですが、水中ならではの探索感というか冒険感みたいなものはやっぱりあるのかなと考えていまして。今回でも、マップ自体が持つ深みを増すひとつの要素として、水中の要素を入れさせていただいています。 ――試遊ではバーラハーラを相手取っていたのですが、岩に上ったところをスリンガーで落としたりとか、周囲の環境に注目したり、活用したりするとうまく狩れると感じました。やはり本作でも環境利用は重視しているのでしょうか。: 徳田 :モンスターを単品としてではなく、生態系の一部として描きたいという思いがけっこうありまして。 それぞれの生息環境に応じた能力をモンスターが持っていて、それをハンターが理解したうえで利用することで、より有利に立ち回れるというのは、遊びの中でとても大事な部分だと思っております。もしそう感じていただけたのであれば、すごくうれしいですね。 ――新要素のひとつに、オトモアイルーが喋るというのがありますが、どういったきっかけからこの要素を入れたのでしょうか。 徳田 :狩猟中に利用できるものが多くあるうえに、環境の変化に応じて、それらも変化していくのが新しいところ。ですが、狩猟中だとなかなか気づきにくかったりするんですよ。そんなときに、オトモや編纂者のアルマがちょっと声をかけてくれれば、これは使えるんだと“気付き”になる。いわゆる情報役として適任だと思ったんです。 また、今回はストーリーや没入感をすごく大事にしてますので、同じチームのメンバー感みたいなものを演出するうえでも、喋らせてみようと考えました。 あと、オプションでいつものみゃーみゃー言うネコ語にも変更できますので、もし違和感がある方はそこで対応していただければと。 ――よりパートナーとしての存在感を高めたかったと。: 徳田 :そうですね。僕なんかはもうずっと(オトモと)一緒に遊んでいますが、可愛くてしょうがなくなってきていますね(笑)。 ――今回の試遊で、ストーリーが今まで以上に充実していると感じました。ストーリーをここまで強化しようと思われたきっかけはどういったところからなのでしょうか。 藤岡 :ストーリー部分を遊びながらゲームに慣れていってもらうというところには、 『モンスターハンター:ワールド』のころから力を入れていきたいなと考えながら制作を進めていました。 本作では生態の一部としての人も描きたいという考えがあって、人の感情の動きなども表現するとなると、やはりストーリー自体も綿密に描かなければならないなと。ですから、ストーリーにかなり力を入れています。 ――ゲームが進むにつれ、壮大な物語が展開していくと期待してもよろしいのでしょうか。 藤岡 : 『モンスターハンターワイルズ』では、そこはしっかりやりたいと思っています。ナタという少年の発見から始まり、彼がどう変化し成長していくのかとか、その辺も感じてもらえるように、PVでもナタのセリフが印象的になるようにしています。 今後ナタがどう動くのか、そして先日発表させていただいたメインモンスターのアルシュベルトがどう関わってくるのか。そのあたりもかなり気を遣ってストーリーに入れ込んでいますので、楽しみにしていていただけたらと思っています。 ――楽しみにしています! 話は変わりますが、今回は全プラットフォームでのクロスプレイが可能ですよね。この機会にPCを購入してみようと考えている人もいると思うんですが、フレームレート60fpsで楽しみたいならどのくらいの環境があればいいのでしょうか……? 藤岡 :まだ開発中ですので、公式としてはっきりとお答えすることはできないです。嘘を言ってはいけないところですし……。いずれ明確な数値が出たときに、改めて公開させていただければと思います。