春の新作ドライバーをマトリックス図で比較 「国産MAX」と「海外MAX」明らかな違いとは
個性派キャロウェイと意外に正統派コブラ
国内外の「MAX違い」に注目が集まるなか、独自の路線を歩むメーカーもある。キャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」だ。最も低スピン性能だった『パラダイム Ai スモーク ◆◆◆ ドライバー』はもちろん、他社でいうスタンダードモデル『パラダイム Ai スモーク MAX ドライバー』でさえ、図の中央に位置している。シリーズ全体を通して、スピン量が明らかに少ない。 「同社は、他社と比べても慣性モーメント値はそれほど高くなく、ミスヒットに対する寛容性は、ヘッド構造で図るテーラーメイド、ピンとは違った方向性を打ち出しているといえます。構造うんぬんよりも、『Ai スマートフェース』によるフェースによる進化が、ミスへの強さを発揮しているということでしょう」 キャロウェイの特徴と比べ、ややおとなしい雰囲気を示しているのがコブラ『ダークスピード』シリーズ。全モデルが横軸に対して中央に位置し、ニュートラルな設計であることが把握できる。 「ダークスピード」について三田氏は、「プロット図では可変ウエートは全て標準設定の状態で配置しました。ウエートを自由に動かし、理想の弾道を生み出すコンセプトを打ち出している同社の『ダークスピード』は、ネーミングのイメージに反し、意外とニュートラルな性格でした(笑)。『―MAX』のウエートポジションを、ヒール側と後方で入れ替えるだけで、ほぼ『―X』の位置まで下げることも可能です。購入後も調整できるメリットは、同シリーズの魅力かもしれません」と語る。
「LITE」「HL」「FAST」 一線を画す軽量モデルが増加
今期のマトリックス図で、最後に注目したい存在は軽量モデルだ。「Qi10 MAX LITE ドライバー」「G430 MAX 10K HLドライバー」「パラダイム Ai スモーク MAX FAST ドライバー」は、いずれも総重量270g台と、ブリヂストン「B3 MAX ドライバー」「B3 MAX D ドライバー」や「オノフ ドライバー AKA」と比べて10~20g軽い。つかまり具合が強く、スピン量が多い同じゾーンではあるものの、その特性は少し傾向が異なるようだ。 「40~50g台の軽量シャフトがベーシックになりつつある昨今で、ヘッドも軽量モデルの需要が年々増えています。つかまりがよく、スピン量は比較的多いことが特徴ですが、単に軽めの設定だから全て同じと把握してしまうと、失敗するリスクは高いです。左上のゾーンの中でもつかまり具合が非常に高いもの、抑えめなものを振り分け、自身の傾向で左へのミスがどれほど多いかを鑑みながらモデルを選定するべきでしょう」