《ブラジル》岡山大学那須学長が留学説明=日系学生らの向学心に刺激
ブラジル岡山県文化協会(角南美佐子会長)は8日、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会貴賓室で、日本留学説明講演会「日本の未来:那須保友学長と学ぶ岡山大学」を開催した。講演では岡山県から来伯参加した那須学長が登壇し、岡山大学の留学受け入れ状況の説明などを行った。会場には日本留学に興味がある学生ら約30人が集まり、日本留学に対する理解を深めた。 講演冒頭では、岡山県を代表する酒や寿司などの食文化、現代アートで有名な直島や瀬戸内海などの観光地としての魅力、近年注目を集める地場ジーンズブランドなどの郷土文化紹介が行われた。 岡山大学の紹介では、大学の歴史などが語られ、留学生の受け入れ状況については、現在52カ国の大学と協定を結び、1100人の留学生が在籍していると説明。ブラジルでは、サンパウロ総合大学(USP)、パウリス州立大学(UNESP)、リオデジャネイロ連邦大学と大学間協定を結び、その他の大学とも合わせて5つの部局間協定を結んでいるが、ブラジル人留学生は現在1人。日本政府にはブラジルからの留学生受け入れを増やす意向があり、岡山大学もブラジルからの留学生受け入れを増やしたいと話した。 那須学長は来年1月末に行われる日伯外交樹立130周年に向けた学長会議にも出席予定で、「今後、より多くの大学と協定を締結できるように努めたい」と展望を語った。 今回の講演会には日系人の参加者が多く、那須学長は「日系人の方の留学に対するモチベーションが高いことを感じました。短期間でもいいので、留学を通じて自身のルーツをぜひ体感してほしいですね」と話した。 講演会に参加したルーカス寺尾さん(27歳、4世)は「日本の大学がどのような留学の仕組みを持っているのか知りたくて参加しました。那須学長の講演は日本留学の励みになるものでした」と語り、親子で参加したラリッサ・ユミ・照屋さん(3世、20歳)は「子どもの頃から書道などの日本文化に触れてきましたが、日本に行くことにはあまり興味がありませんでした。今日はネットでは知ることができない情報を知ることができ、明日にでも日本に行きたい気持ちになりました」と話した。 那須学長はブラジル滞在後、パラグアイを訪れ、アスンシオン大学と協定を結んだ。