武闘派ヤクザの組長が戦線に復帰…節目の一年が終わる「山口組分裂抗争」最前線で起きていること
抗争の最前線に“激震”が走った。 10月31日、六代目山口組傘下の「山健組」の中田浩司組長(65)が釈放された。中田組長には、‘19年8月に神戸市内で起きた六代目山口組の中核組織・弘道会系組員銃撃事件の実行犯として殺人未遂と銃刀法違反の疑いがかけられてきた。31日に神戸地裁で行われた裁判では検察側が懲役20年を求刑したのに対し、証拠として提出された防犯カメラの映像が不鮮明で別人の可能性も否定できないなどの理由から、無罪の判決が言い渡された。 【最新近影】すごい…!“穏やかな表情”で髙山若頭を引き連れて歩く司忍組長「オーラ満点」肉薄撮 「山健組といえば、六代目山口組と分裂抗争中の神戸山口組・井上邦雄組長(76)の出身母体であり、三代目山口組の田岡一雄組長が立ち上げた名門武闘派ヤクザ。10年前に発生した『山口組分裂抗争』では、当初、神戸山口組につきましたが、‘21年9月に六代目山口組へ“出戻り”しています。そんな山健組において、五代目の中田組長も武闘派として有名だった。ですから検察も簡単には引き下がれない。11月13日に控訴し、戦う姿勢を見せています」(全国紙社会部記者) 中田組長は釈放後、全国を飛び回り、積極的に挨拶回りに励んでいる。なかでも11月2日には、移籍して以来、一度も顔合わができていなかった六代目山口組の司忍組長(82)と髙山清司(77)の元を訪問。執行部の面々に迎え入れられ、中田組長も笑みを浮かべていた。 ◆敵対していた「2つの中核組織」が並び立つ 中田組長の復帰により、分裂抗争は一つの転機を迎えている。弘道会に加え、もともと神戸山口組の中核組織を成すほど力のあった山健組が、六代目山口組の傘下で万全の体制となったことで、六代目山口組陣営はさらに勢いを増す格好となった。これにより、一気呵成に神戸山口組側に圧力をかける可能性もある。 「神戸山口組の井上組長は自宅に篭りっきり。そして、抗争の激震地であるその自宅周辺は、一般住民への影響が出ないよう、兵庫県警が警備にあたっています。これまで銃弾が撃ちまれたりガソリンのような液体が撒かれたことはあれど、六代目山口組側も決定的な襲撃をかけることは難しい。一足飛びに井上組長が襲われると言うことはないでしょう。 とはいえ、中田組長ほどの大物の釈放が渡世に与える影響は大きい。11月上旬には住吉会の幹部と会食するなど、外交も積極的に行っています。いつ、何が起きても不思議でない……。そんな緊張感が高まりつつあります」(山口組事情に詳しいジャーナリスト) 有料版「FRIDAY GOLD」では、節目の1年が終わるにあたり、これまでの「10年の血塗られた軌跡」を司組長の写真とともに詳報している。
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