選挙重なる? 市長・市議選に衆院、県選挙もか 市選管苦慮「経験ない事態」/兵庫・丹波市
11月10日告示、17日投開票の兵庫県丹波市長・市議のダブル選挙を控える中、新首相誕生後に衆議院選挙の執行が取りざたされており、丹波市ではトリプル選になる可能性がある。市選挙管理委員会によると、衆院選の日程によっては、市のダブル選を衆院選に合わせる日程変更をする可能性があるという。また、県議会では、一連の斎藤元彦知事らの告発文書問題を巡って斎藤知事への不信任決議案提出の動きもあり、そう遠くない日に知事の辞職や失職、議会解散に伴う選挙の可能性をはらむ。市選管書記長は、「経験のない事態で、調整事項が多い。さまざまな可能性を想定し、どのような対処が適切か考えたい」と言い、流動的な各方面の動向を見極めつつの対応に苦慮している。 市選管が市ダブル選の日程の前倒し、後ろ倒しを視野に入れるのは、衆院選の投開票日が11月10日、もしくは24日になった場合。ただ、日程の変更を視野に入れるとしても、選挙にかかる経費、投票を一度で済ませられる便宜、立会人や開票作業などに当たる市職員の負担、投票所に複数の投票箱が設置できるかどうかの物理的な面などから、総合的に考慮する必要があるという。書記長は「いずれにしても、今後の選挙管理委員会で検討することになる」とする。一方で、衆院選は10月末投開票とみる報道もある。 丹波市と同じ状況にある自治体もある。埼玉県白岡市は、丹波市と同じく11月17日投開票で、市長・市議補選を予定している。衆院選の日程によっては、同市のダブル選を1週間の前倒し、後ろ倒しすることを決定している。書記長は「今はあいまいな状況で、報道を注視して衆院選期日の決定を待つしかない。選管で協議し、日程変更の必要が生じれば発信したい」とする。 一方で、県議会の動向も注視している。斎藤知事は、これまでに全議員から辞職を求める申し入れを受けており、19日に開会する定例会中にも県議が不信任案を提出する動きがある。 知事が辞職せず、同案が可決されれば、知事は10日以内に失職か、議会解散を選ぶことになる。失職を選んだ場合、50日以内に知事選が実施され、議会解散を選ぶと40日以内に県議選が執行される流れ。いずれの場合も、丹波市のダブル選、衆院選と大きく変わらない日程での選挙が視野に入る。 市は、選挙の日程が重なった場合などを想定し、開会中の市会9月定例会に、投票箱83個など関連資材を買い足す費用552万1000円の追加を含む一般会計補正予算案を計上している。