「友だちの輪」誕生のきっかけにあの世界的巨匠 ハプニングの宝庫「笑っていいとも!」の魅力
また、官能小説で有名な人気作家・川上宗薫が1983年9月26日に出演した際には、小説での「尻の穴」の描写が話題になった。 説明しようとした川上が生放送での表現の難しさに耐え切れなくなり、「こうなったらヤケクソで、放送禁止用語なんか言っちゃっていいですか?」と言い出した。 「いいとも!」とはもちろんいかず、タモリが慌てて「怖いことをおっしゃる」と制止する一幕があった。 ほかにも、2012年10月3日に登場したタレントで俳優、作家でもあるリリー・フランキーが、お気に入りのラブドールを伴って出演し、自分の〝彼女〟として紹介したこともあった。
この場合は、タモリは慌てたというよりはむしろ興味津々でノリノリだったが、スタジオ全体はどう反応してよいかわからず不思議な空気が流れた。 「友だちの輪」の誕生もそうだが、こうした生放送ならではのハプニングこそが、「テレフォンショッキング」の醍醐味だった。予想外のことがしばしば起こり、まさにハプニングの宝庫となった。 ■黒柳徹子の「番組ジャック」 そのなかで、いまでも語り草になっているのが、1984年3月14日放送回の黒柳徹子による〝番組ジャック〟である。この日登場した黒柳は、文字通りノンストップでしゃべり続けた。
ユニセフ親善大使の話から始まったかと思うと、タモリのリクエストでハンドバッグの中身をひとつひとつ見せることに。手紙や筆記用具などの他に、電車の切符、さらになぜか箸置きが入っていたりする。 そして『徹子の部屋』(テレビ朝日系、1976年放送開始)の印象的だったゲストのエピソードから、自分の「検便」を「フン」と言ってしまった話、富士山の近くの宿で「これ、なんていう山ですか?」と聞いてしまった話、わんこそばに挑戦したがすぐ次のそばを入れられるのでやめるにやめられず悪戦苦闘した話などが延々ととめどなく続き、最後は、翌日ゲストの泉ピン子へのメッセージを書き留めるふりをしてタモリがメモ用紙に描いている女性器のマークを目ざとく見つけた黒柳が、昔覚えたというその絵描き歌を歌い出すおまけまでついた。