自慢はソーセージ!夫婦が営むフランス版「大衆食堂」 フランス出身の夫が手作り 冷涼で乾燥した気候を求め長野へ
■ソーセージ作りに適した気候を求め
思い切って、七生さんの母国・日本へ。 ソーセージ作りに適した冷涼で乾燥した場所を探していたところ、山ノ内町を知りました。 やまブイブイ・黒田七生さん: 「食材が豊富なところが良くて、豚の加工するときに、冬になったらお肉やサラミを干したりするんですけど、山の寒い気候の方があっているということで」 空き店舗となっていた建物を譲り受け、自分たちで改装。資金は金融機関の創業支援事業に応募するなどして工面し、オープンさせました。
豚の肩肉とバラ肉を切り出したら塩とコショウ、七味唐辛子や酒などで下味を付けます。 やまブイブイ ジャン・パコム・ドゥデューさん: 「肉本来の味わいを感じられるように、一般的なレシピより塩やスパイスの量は控えめにしています」 味がなじんだら、専用の機械でミンチに。フランスでは「粗挽き」が一般的です。 ミンチを腸詰めにしたらソーセージは完成。ボイルせず、提供する際にじっくりと焼き上げるのが「フランス流」です。
■すでにリピーターも
提供するのは他にカニのビスクにブイヨンを加えたフレンチの定番や、地域の食材を取り入れたメニューも。 こちらは中野市産の「黒あわび茸」を使ったオムレツです。 やまブイブイ ジャン・パコム・ドゥデューさん: 「フレンチの技術も使いつつ、なるべく地元で採れる食材を組み合わせて、新しいレシピを作っていきたい」
店は午後5時にオープン。 やまブイブイ・黒田七生さん: 「どうもありがとうございます」 客: 「お!(髪型)気持ちいいね!またそった?」 オープンして2カ月余りですが、地元の住民が訪れ、すでにリピーターになっています。人気はやはり、パコムさんのシャルキュトリーです。
客(町内から): 「すごくおいしいです。初めて食べる感じの味だけど、優しい味で、すごく食べやすい。本場の味をこうやって近くで食べられるのはいいですよね」 「優しいんだけど、味がしっかりしている。おいしい料理店と、居心地がいい場所が増えるのはこの町にとっていいこと」 やまブイブイ ジャン・パコム・ドゥデューさん: 「(仏語)日本人に受け入れてもらえるか、理解してもらえるか不安でしたが、オープンしてみたら日本人にたくさん来てもらえて、それがうれしいですね」
■多くの人が集う場に
妻の七生さんは店の一角に地域の人が持ち込んだ「古本」を販売するスペースも設置しました。 店があるのは駅前。多くの人が集う場として街の魅力の一つになればと2人は考えていて、理想の形に少しずつ近づいています。 やまブイブイ・黒田七生さん: 「観光客しか来ないお店は面白くないかなと思って、地元の方に来てもらえる店になりたくて、地元の人も来るし、旅の人も来て、カウンターでおしゃべりが始まったりとか、いろんな人が出会ったり、飲食店だけでなく、人が行き来するような場所になってほしいなと思います」
長野放送
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