【MLB】来年1月発表の殿堂入り投票 イチローは野手史上初の満票選出なるか
先日投票対象者が発表され、今回新たに14人の候補者が加わった2025年の野球殿堂入り投票。その14人の中の一人であるイチローには史上2人目、野手としては史上初となる満票選出の偉業も期待されており、その結果が注目されている。MLB公式サイトでマリナーズの担当を務めるダニエル・クレイマー記者は、満票選出の可能性について分析。「満票でなくても驚きはない」としながらも、「彼はこれまで殿堂入りした誰よりも満票選出にふさわしい姿を体現してきた」と期待を寄せた。 全米野球記者協会(BBWAA)の投票によって決められる野球殿堂において、過去満票で選出されたのはマリアーノ・リベラただ一人。過去にはデレック・ジーターがあと1票足らず満票を逃しているほか、マリナーズでは通算2781安打、630本塁打という記録を残したケン・グリフィーJr.が満票まであと3票というところまで迫ったものの、高い壁に跳ね返されてきた。現在では多くの記者が自分の投票を公開しているものの、匿名投票であるがゆえにこうした結果は常に議論を呼んでいる。 イチローは2001年MVP、新人王、10度のオールスター選出、ゴールドグラブ10回、前人未到の10年連続200本安打と、シーズン安打記録262本(2004年)という圧倒的な実績を持っているが、こうした過去の投票結果から考えれば、今回投票の有権者400人全員からの支持を集められるかどうかは難しい問題だ。一方で、クレイマー記者は「野球殿堂の選出はフィールド上のパフォーマンスだけで決めるものではない」と主張。そして、「これこそがイチローの輝くところだ」と述べ、メジャー最初の日本人野手として道を切り開き、マリナーズの若手スターであるフリオ・ロドリゲスなどの現役選手からも支持されるその影響力を高く評価した。 2023年にシアトルで開催されたオールスター・ゲームの際には、現地の取材で「自分のMLBでのパフォーマンスで日本人野手の勝ちが判断されることになる。そのことを胸に強く刻んでやってきた。」とコメントしていたイチロー。その後の松井秀喜や青木宣親、そして現在の大谷翔平らに繋がる偉大な道を切り開いてきたその価値に、現地記者はどのような判断を下していくのか、注目の投票結果は日本時間来年1月22日に「MLBネットワーク」の中継にて発表される。