【ウインターカップ2023】大会デビュー戦で3ポイント6本成功、北陸学院の小野蓮太が強豪Bユースから高体連に移った理由
U15時代には感じられなかった歓声と高揚感
しかし小野はこのような違いも、自身の成長に欠かせないものととらえている。 「慣れた環境のほうがパフォーマンスが上がるのかもしれないですけど、ドルフィンズU15の末広監督(末広朋也=現琉球ゴールデンキングスサポートコーチ)からよく『いろんな環境でプレーすることが大事』と言われていました。ウインターカップも、最初は人の多さとか応援の迫力とかの雰囲気に驚いたし、雰囲気に飲まれてしまいそうにもなったんですけど、U15時代に『大きな歓声の中でプレーするということを意識しながらプレーしなさい』と言われていたので大丈夫でした」 1回戦の関西大学北陽戦はベンチスタート。23分の出場で3ポイントシュート9本中6本成功を含むチームハイの25得点を挙げて勝利の立役者となった。2回戦の相手は、この大会を制することになる福岡第一。小野は満を持してスタートで起用されたが、福岡第一の崎濱秀斗と山口瑛司に代わる代わる守られ、12得点に留まった。 62-74で試合を終えた後、小野は「強豪の福岡第一さんと最後まで戦えてよかったですが、3ポイントでチームを勢いづける立場なのに、それができずチームにすごく迷惑をかけてしまった。課題がたくさん残りました」と試合を振り返った。 一方で、崎濱と山口という福岡第一が誇るディフェンスマンにマークされたことについては「自分が第一さんに警戒されることで、チームに貢献できていると感じられてうれしかったです」コメント。「2人ともディフェンスのタイトさが全然違いました。2年、3年と学年が上がってきた時に、この経験が生かされていくんじゃないかなと感じます」 ユース時代に経験した大会は、コロナ禍の影響で観客は保護者のみだった。たくさんの観客が詰めかけ、4年ぶりに声出し応援が解禁された東京体育館。シュートが決まるたびに湧き上がる歓声は「すごくうれしかったです」と笑みを見せた。 目標はウォリアーズのステフィン・カリー。「今はキャッチ&シュートがメインだけど、ドリブルからの3ポイントだったり、ディープスリーだったり、タフなシュートも決められるようになりたい」と語る小野が、新たなステージでどのように成長していくか楽しみだ。
青木美帆