「自分との結婚なんて考えてもらえない」 ”最大の悩みは結婚” 障がい者の”きょうだい”に生まれて
■心境に変化 婚活するも”兄が理由”で縁談を断られ続けた 30歳になる年に「このまま生涯1人で本当にいいのだろうか?」と自問した時、「それは淋しい!私は本当はそんなに強くない!」と初めて自分の弱さを認めた。 そして結婚願望のようなものを持ち、結婚相談所に登録する。 しかし、兄の障がいが大きなネックとなった。 「障がいのある家族がいる人はちょっと…」とプロフィールを見ただけで断られたり、実際に会っても兄の話をすると気まずい雰囲気になり、その後声がかからないということが続いた。 八尾香織さん 「この時初めて『お兄ちゃんが原因で私結婚できないかも…』と厳しい現実を突きつけられた気がしました。」 ■34歳、二度目のプロポーズ 一方、プロポーズを断った彼とはその後も、時々連絡を取り合う関係が続いていた。34歳の夏、なんとなく電話で話をしていた時に、ふと「この人と話していると自然体でいられて楽だな」と感じたという。 すると… 「あのさ、君と結婚したいと言う男は僕しかいないと思うよ。もういい加減諦めたら?」という二度目のプロポーズを受け、結婚を決意する。 ようやく結婚を決意した香織さんだが、両親は反対した。 八尾香織さん 「彼の出身地が関西なので『娘が本州側に取られてしまう』という寂しさもあったようです。ずっと独身のまま自分たちの面倒や兄の介護をしてもらおう、という気持ちにもなっていたようで。20代までは『普通の幸せを見せてくれ』と結婚を急かす発言も多かったのですが、いざ結婚を決めると自分たちの都合で反対…勝手なことを言うわね、と思います」 一方、彼の両親をはじめ親族からの反対は全くなかった。結婚前から義父母とは面識があり、良好な関係を築いていたため反対するどころか「やっと一緒になってくれた」と喜んでくれた。 八尾香織さん 「恵まれ過ぎている話ではありますが、彼のお母さんは障がい者施設に長く勤務していた人で、理解がとても深い人。『私、障がいがある人と仲良くなるのが得意よ』と言ってくれた時、本当に嬉しかったです。」
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