「稼ぐの難しい」「収入減った」中国で相次ぐ無差別殺傷は“社会への報復”? 事件で注目「三低三少」とは【Nスタ解説】
阿古智子教授: もっと皆さんは緊張して、どうやってその問題を相談したらいいのか、どのような人と繋がっていけばいいのか、わからない状態にあると思います。 井上貴博キャスター: 中国政府は自分たちがやってることは全く間違いがないんだ。海外から何か言われると、それは内政干渉だと突っぱねる。萩谷さん、最近の犯行を見ていると、いくら監視カメラを増やしても、犯行後に逃げる気のない犯人には全く抑止力にならない。しかも事件を起こしそうな人を特定するというのがまた差別を生んで負の連鎖を助長し、より加速していってしまうなと感じます。 萩谷麻衣子 弁護士: その懸念はありますよね。危なそうな人を探し出して取り締まったりSNSを規制しても、それは事態の根本的な解決にならない。こういう事件が起こる背景、貧困や格差、若者の失業率の高さといったものに中国政府が目を向けていかないと、事態は本当に深刻になるばかりではないかと思いますね。 ■地方政府が管理を支持か 事件で注目の“三低三少”とは? 良原キャスター: 事件の背景にはやはり社会への不満というものがあるようです。中国のSNSにも、「社会への報復が続々と出てきている」といったコメントも相次いでいます。 また中国社会には、経済低迷を背景に将来への不安が広がっている。社会の不満がこうした事件が相次いで起こっている背景にあるといいます。 実際に犯行の動機を見てみると、11日に起こった暴走車両の事件では、離婚後の財産分与を巡って不満を募らせた可能性があるとされています。 また、16日の切り付け事件では、卒業証書をもらえなかったことや職場での報酬などに不満を持っていたといったことが言われています。 そんな中で注目されているのが「三低三少」という言葉です。 「三低」というのは、所得、社会的地位、社会的人望が低い。 「三少」というのが、人との付き合い、社会と触れ合う機会、不満を口にできる機会が少ないということ。 地方政府は事件を起こす可能性がある人として、この「三低三少」の方を重点的に探して管理するよう指示していると香港メディアが報じています。