ロケットラボ、Synspectiveの小型SAR衛星を打ち上げ SAR衛星コンステレーションの構築進む
ロケットラボは日本時間2024年3月13日、 日本の民間企業Synspective(シンスペクティブ)が開発した小型SAR衛星「StriX-3(ストリクス・スリー)」を搭載した「エレクトロン」ロケットの打ち上げミッション「Owl Night Long」に成功しました。 直近のロケット打ち上げ情報リスト StriX-3を搭載したエレクトロンは日本時間2024年3月13日0時3分(ニュージーランド夏時間2024年3月13日4時3分)、ニュージーランドのマヒア半島にあるロケットラボの発射場から打ち上げられました。衛星は高度561kmの太陽同期軌道へ投入されました。シンスペクティブは軌道投入後の衛星との通信が正常に機能し、アンテナの展開も確認されたと発表しています。 シンスペクティブは内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」の研究成果を社会実装することを目的として2018年に設立された日本の民間宇宙企業で、合成開口レーダー(SAR)を搭載する衛星のコンステレーションを構築・運用し、そのデータ販売や解析を行っています。シンスペクティブによると、同社の小型SAR衛星は従来のSAR衛星の約10分の1である重量約100キログラム級で、開発費と打ち上げ費用を合わせたコストは大型のSAR衛星と比較して約20分の1を実現しています。 シンスペクティブは2020年12月に実証機「StriX-α(ストリクス・アルファ)」、2022年2月に実証機「StriX-β(ストリクス・ベータ)」の軌道投入に成功しています。そして2022年9月に初めての商用実証機「StriX-1(ストリクス・ワン)」の軌道投入に成功しました。今回打ち上げられたStriX-3は同社が開発した4機目の衛星で、SrtiX-1と同じ設計理念に基づいて開発され、効率的な生産体制の構築を目指した衛星とされています。なお、衛星の名称の「StriX」はフクロウの学名である「Strix uralensis」にちなんで名付けられています。フクロウは夜間でもモノが見え、暗闇でも採食できることから、SARの特徴とも一致します。