城内実 経済安保担当大臣ってどんな人? 郵政民営化法案の採決では反対票…公認得られず刺客立てられ落選の憂き目も
10月1日に臨時国会が召集され、自民党の石破茂 総裁が第102代内閣総理大臣に指名された。その石破新総理が経済安全保障担当大臣に起用したのが衆議院・静岡7区選出の城内実 議員だ。過去の取材を基に経歴や人となりを紹介する。 【画像】初入閣となった城内実 議員のこれまでを振り返る
東大卒の元官僚でドイツ語に堪能
経済安保担当大臣を任命された城内実 議員は1965年生まれの59歳。 父・康光氏は元警察庁長官で、幼少期は東京・広島・ドイツ・神戸などで暮らした。 その後、開成高校・東京大学を経て外務省に入省。 官僚時代は在ドイツ日本国大使館に勤務し、1997年には天皇陛下や総理大臣などのドイツ語通訳官を務めた。
自民党本部に翻弄された初出馬
政界に進出したのは2002年。 前任の急死に伴い実施された自民党・静岡7区支部長の公募に手を挙げると、翌年の第43回衆議院議員選挙で初当選を果たす。 ただ、実はこの時は無所属での立候補だった。 というのも、城内議員が支部長に選ばれた直後に元自民党で通商産業大臣や内閣官房長官を歴任した同じ静岡7区を地盤とする熊谷弘 氏が民主党を離党した上で、旧知の仲だった保守党の二階俊博 幹事長(当時)と共に保守新党を旗揚げし与党入りしたからだ。 “連立の大義”を重んじた自民党本部は熊谷氏を推薦するに至り、城内議員はその煽りを受けた格好となった。 城内議員には比例単独での立候補の打診があったものの断り、自民党静岡県連も党本部の姿勢に猛反発。 結果としては熊谷氏に4万票近い差をつける圧勝劇で、城内議員は「まだ信じられない。これほど票差がつくとは思っていなかった。支持者が一生懸命動いてくれたので、そのおかげだと思っている」と述べた。
郵政民営化に反対 刺客立てられ落選
城内議員の名前が一躍知られるようになったのは2005年。 小泉純一郎 総理(当時)肝いりの郵政民営化法案の採決において、総理の出身派閥(清和会)の所属議員の中で唯一となる反対票を投じた。 これにより2005年8月のいわゆる“郵政解散”に伴う衆院選では、自民党が財務官僚の片山さつき氏(現・参議院議員)を刺客として静岡7区に擁立。 城内議員は「ある程度重い処分を受けることは想定していた。“よもや”という面もあるが、相手がどうあろうと私は支援者と一丸となってやるべきことを最後の日まで続ける」と前を向き、自民党県連も再び党本部の方針に背いて支援に回ったが、その差わずか748票で涙を呑んだ。