「地域電器店は最大のパートナー」 指定価格家電、構成4割に 5年同じモデルも視野 パナソニック
系列販売店網は最大のパートナー――。パナソニックの品田正弘社長は電波新聞社などの取材に対し、2020年度から始めた指定価格制度などの新販売スキーム(枠組み)が「3年を経過して理解が進んできている」と手応えを述べた。同時に、“街の電器店”であるパナソニック系列店は高齢化社会の中で「最大のパートナーになる」と強調。系列店の商いに合わせた製品展開をできるだけ早い段階で実現していく考えを示した。 【関連写真】指定価格など新販売スキームによる家電の販売構成の推移や収益貢献度 品田社長は、地域系列店が今後さらに重要になってくるとの見方を示し、「高齢化社会の中では家電難民が地方で確実に増えている」と指摘。地域店の商売にあった製品展開も視野に入れていく考えで、「信用と商品、サービスを融合していくことが重要。量販店とは製品を分け、5年モデルチェンジしないような製品をラインアップすることを早い時期にやりたい」などと述べた。 また、大手家電でいち早く導入した新販売スキームと実需連動型SCM(サプライチェーン管理)は、無理な価格競争を抑えるとともに、無駄な流通在庫を減らし欠品のない安定した供給をする狙いがあった。「新販売スキームは中長期的なサーキュラーエコノミー(循環型経済)を考えてきたもので、日本でも良い製品を長く使ってもらう時代がくると思っている」と述べた。 指定価格制度は高付加価値製品を中心に進め、現状の販売構成は約4割にまで拡大。「50%が1つの目安」とし、市場環境や競合の状況を見ながら進める考えを示した。 これまで家電市場では価格を下げて調整することもあり、実際に流通側に対し価格下落に対する利益保証などもしてきた。指定価格制度などは過度な価格下落を抑えられるとみており、「価格に見合った価値が提供できるよう年間通じて売れるものを展開していく」と見通しを示した。 一方、洗濯機などの白物家電で価格維持が難しい製品群も浮き彫りになってきているが、「冷蔵庫、洗濯機で価格を落とさない製品展開は諦めない」と強調した。
電波新聞社 報道本部